[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/02/26
抄訳記事公開日:
2015/03/13

微小プラスチックから海を守る

Meere vor Plastikmüll schützen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はEUに加盟する9か国と海洋におけるマイクロプラスチックの研究プログラムをスタートさせる。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。

プラスチックの世界生産量は2億9,900万トン(2013年)、そのうち5,700万トンが欧州で生産されている。少なくとも27万トンが大きなプラスチックの島となって世界の海に漂っているといわれている。1997年に発見された北大西洋におけるごみの絨毯(Great Garbage Patch)はドイツとフランスの面積を合わせた規模であり、1キロ平米当たりでは100万のプラスチック破片と推定されている。プラスチックごみの一部は紫外線と波によってマイクロプラスチックとして長い間存在し続ける。どこからそれが発生するか、マイクロプラスチックの海洋というシステムのなかでの空間的な散らばり、海洋生物や人間の健康への影響に関する現状の知識にはまだ空隙が多い。

このためBMBFはマイクロプラスチックをテーマとする欧州レベルの研究プログラムを立ち上げるよう呼びかけることにした。ベルギー、フランス、オランダをはじめとしたEU加盟国とともに計10か国で「海洋におけるマイクロプラスチック」に関して共同助成告示を行った。助成総額は750万ユーロである(Ecological aspects of marine microplastics of Joint Programming Initiative on Healthy and Productive Seas and Oceans)。BMBFは同テーマの研究に参加するドイツの研究機関を支援する。

ヴァンカBMBF大臣によれば「海洋のマイクロプラスチックは国境を越えた問題であり、国際的協調による取組を必要としている。それだけに欧州共同のイニシアチブが一層重要である。目標は、海洋や人間への危険性を研究し、これに効果的に対応できるようにすることである」。
科学的な調査研究、比較がを容易にするために、実験的な方法によって統一的な計測技術を開発しれなければならない。地球規模の調査研究で、どのような経路でプラスチックが海に到達するのか、海洋環境に微粒子がどのように拡散し、海洋生物に対しどのような毒物学的な影響を与えるのか、また食物連鎖最終段階で人間にそれがどう影響するのかを解明することになる。調査結果はG7科学大臣会議の海洋廃棄物研究イノベーション共同作成行動計画につながることが期待されている。

[DW編集局]