[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2015/02/26
抄訳記事公開日:
2015/04/10

NIH、「ヒト胎盤プロジェクト」に4150万ドルの支援を発表

NIH announces $41.5 million in funding for the Human Placenta Project

本文:

2015年2月26日付けの国立衛生研究所(NIH)による発表の概要は以下のとおりである。

NIHは、妊娠中のヒトの胎盤の発達を理解・観察するイニシアティブに4150万ドルの支援を決定した。このファンディングは胎盤が成長・成熟していく過程の健康状態を評価する新技術開発を支援するもので、究極の目標は母子の健康向上にある。

胎盤は、母体から胎児に酸素や栄養物を運び、同時に二酸化炭素などの毒性の可能性のある物質を除去する一時的な器官である。また妊娠の維持に役立つホルモンを生成し、母体と胎児の共存を可能にする独特の免疫機能を果たす。

胎盤に問題が生じると、子癇前症、妊娠性糖尿病、早産、死産など母体もしくは胎児に悪影響を与える可能性がある。胎盤の障害はまた、母子共にその後の生涯における高いリスクの心臓疾患とも関係がある。

これまでの胎盤の研究はほとんどが超音波診断、血液検査、出産後の胎盤組織検査に限られていた。これらの研究で重要な基礎的知見が得られているが、正常な胎盤の発達や機能、健康や疾病におけるこの器官の役割についてまだ多くの疑問が残っている。

上記イニシアティブでは、医師が妊娠中の胎盤の働きを安全に追跡できるように、イメージング・ツールやセンサーなど、新技術や既存技術の革新的応用の促進を追求する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]