[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立宇宙研究センター(CNES)
- 元記事公開日:
- 2015/02/25
- 抄訳記事公開日:
- 2015/04/10
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CNRS、2015年予算の概要
- 本文:
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国立科学研究センター(CNRS)が発行する「CNRS le journal No.279(2015年冬号)」のp.50の標記記事の概要は以下のとおり。
2015年の任務遂行に向けたCNRSの予算は32.3億ユーロである。緊縮財政の中、退職者数を僅かに超える新規雇用枠のほか研究室全般の配賦額は確保した。
[収入]
2013年のピークの後はやや減少傾向にある。2013年まではCNRS予算は一貫して延びていた(2000年以降25%の伸び)。国の財政難の状況下で、他の公務セクターに比べて配賦額が少ないが、2015年予算では基本部分は確保した。2014年比で1.3%の収入減であるが、その理由は2つある。まず第1に議会が割り当てる国の補助金が410万ユーロ減少した。もう1つは自己収入の5.5%減であるが、これは総額6億6200万ユーロに対して3800万ユーロに当たる。その主たる原因は研究室の受託研究が減ったことである(国・地方プロジェクトや欧州プロジェクトの受託収入やANRファンディングの減少による)。この傾向を覆すため、CNRSは欧州プロジェクト公募への応募増や成果利用の多様化を狙っており、その目的で画期的イノベーションの早期支援を目的とする「成熟前基金」がこのほど創設された。
収入(32億2849万ユーロ)の全般的内訳は次のとおり。
・国の補助金: 25億6628万ユーロ
・自己収入: 6億6221万ユーロ
(研究業務の成果利用収入および役務収入が5.5%、その他の助成金・収益が10.5%、研究業務支援受託が84%)[支出]
CNRSの支出の74%は、24,300名の常勤職員および約9,400名の契約職員の給与に充てられ、総額で23.7億ユーロになる。2015年は研究者310名および技術者278名以上の新規採用が予定されている。一定の予算の中で人件費が増大すれば、運用・設備・投資(FEI)に対する資源は事実上減少する結果になる。この制約によりCNRSは、2015年は研究室への年初配賦額(研究室資源の一部となる)を1億5000万ユーロから1億5300万ユーロにする程度の増に留めるよう努力する。しかし各研究室は、各々のその後のFEI支出の半分以上を賄うべき研究室固有の収入の減少で頭を痛めることになる。予算運用に幅を持たせるため、(実際に2000年以降FEIを圧迫している)超大型研究基盤施設(TGIR)に充てられる予算の定常化が決定された。支出の削減に用いられる別の手段としては、購入の画一化、ペーパーレス化、設備・処理法の共有化、研究室の財務・予算管理ツールの共同利用などがある。
支出(32億2849万ユーロ)の内訳は次のとおり。
・人件費: 23億7424万ユーロ(74%)
・運用・設備・投資(FEI)費用: 8億5425万ユーロ(26%) [DW編集局+JSTパリ事務所]