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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2015/03/17
- 抄訳記事公開日:
- 2015/05/01
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「中国の脳科学計画」、三つの展開方向に基づき実施へ
- 本文:
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2015年3月17日付の「中国科学報」ネット版は、「『中国の脳科学計画』、三つの展開方向に基づき実施へ」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
脳の活動原理の解明を目標とする脳科学は、今世紀の最も重要な先端科学研究分野の一つである。米国、EU、日本において相次いで大規模な脳計画が発足した後、中国も脳科学研究「中国の脳科学計画」を打ち出した。3月14日~3月15日に復旦大学で開催された「東洋科学技術フォーラム」によると、「中国の脳科学計画」が国務院の承認を受け、中国の将来における重大な科学技術プロジェクトの一つに組み込まれ、「脳に対する認識」「脳の保護」「脳機能の模擬」という三つの方向から全面的に始動する予定である。
今回のフォーラムで、上海市政府、中国科学院、中国工程院が共同で開催し、テーマは「脳の情報と人工知能」である。中国科学院院士、復旦大学・脳科学研究院の楊雄里教授によると、「中国の脳科学計画」の準備は2、3年前から始まった。「中国の脳科学計画」における三つの方向性にしたがい、「一体」(本体:脳認識原理の基礎研究)と「両翼」(脳重大疾患、脳型人工知能の研究)の研究枠組みが構築される。
脳科学の研究·応用の範囲はとても幅広い。脳型計算と人工知能研究は「中国の脳科学計画」の重要な構成である。脳科学研究は現在、上海市政府の重大科学技術プロジェクトに指定され、上海の復旦大学が浙江大学、華中科学技術大学、同済大学など十数校および中国科学院研究所と共同で、「脳科学協同イノベーションセンター」を設置した。同センターは脳科学の研究と転化·応用を促進し、「中国の脳科学計画」の実施を積極的に推進していく。
脳科学と人工知能研究プロジェクトが脳型人工知能の研究開発と産業化を中心にして、以下の方向に展開される。
一、脳科学ビッグデータと脳機能の模擬プラットフォームを構築して、脳の認知と情報処理メカニズムを解析する。
二、脳型人工知能のアルゴリズムを開発し、脳型人工知能のソフトウェアを研究開発する。
三、脳型チップと脳型ロボットを設計し、脳型人工知能のハードウェア·システムを研究・開発する。
四、脳の模擬技術における重症疾患の早期診断、新薬の研究開発および智能ナビゲーション、知能チップ、公共安全、スマート都市、航空技術等の領域の応用研究、新技術産業化(大規模サービス)の推進、脳型人工知能の研究領域の人材の育成·導入などを行う。
[JST北京事務所]