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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/05/06
- 抄訳記事公開日:
- 2015/06/01
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Big Dataの持つ力を解明し、制御する
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はBig Dataの威力を、解明し、コントロールするため新しい研究プロジェクトをスタートさせる。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。
Big Dataはますます増大する巨大なデータへの対応を意味する。最新の評価方法を使うことで新しい認識が可能となり、有益な知識を生み出すことができる。しかし同じく、データ量とその利用の増加とともに、個人及びその周辺への望ましからざる影響をもたらすというリスクも増大してくる。コンピュータを用いたデータ利用が社会の発展に対して、より強い影響を及ぼすことは予測できる。このためBMBFは新しい研究プロジェクト「ABIDA-膨大なデータの対応における社会および経済への総合的な影響の学際的分析」をスタートさせる。その目標はBig Dataの力に対する理解を深め、正しく対処するための解決法を開発することにある。
ヴァンカ大臣は「研究によってBig Dataのような技術をコントロールできなければならない。我々はその利点を利用可能にしながらも、同時にリスクも明らかにしていく」述べ、「技術的進歩は社会的、法的秩序を尊重し、我々の価値体系の枠組みの中に留まるものでなければならない。データから正しい結論をひきだすことを学ばなければならない。情報は人に奉仕するものであり、負担をかけるものであってはならない」とした。
ABIDAプロジェクトはここに主眼を置き、Big Dataシステムの利用に関する法的、倫理的、社会科学的、生態学的、政治科学的な問題について調査する。その際データ及び分析の法律的対応、データ分析の対象としての個人の視点、結果から得られる知識及び非知識、個人の啓発に対するBig Data分析の影響、データの商品化、データの透明性等も対象となる。
BMBFはこの4年プロジェクトを総額約640万ユーロで助成する。このプロジェクトはヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学ミュンスターおよびカールスルーエ工科大学(KIT)のテクノロジーアセスメント・システム分析研究所(ITAS)の連携によって行われる。更にハノーバー、ドルトムント、ミュンヘンの各大学、ベルリン社会研究科学センター(WZB)も参加している。プロジェクトの結果については市民とも議論され、Big Data技術の対応における新しい基準の作成に役立つものとなる。
[DW編集局]