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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/05/13
- 抄訳記事公開日:
- 2015/06/05
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地震:予見は可能、しかし予知は不可能
- 本文:
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今秋ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は新しい研究プログラム「持続性のための地球研究」(GEO-N)をスタートさせることになった。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。
ヴァンカ連邦教育研究大臣はドイツ地球科学研究センター/ポツダム(GFZ)と共に地震研究の現況について総括し、「地震は予知できない。ただ一つのチャンスは、地震発生時の早期警報である。我々のジオ・リスクの研究によって早期警報システムを国レベル並びに国際的に展開し、事象により迅速に対応していくことができる」と語った。
これまでのところ脅威となる地震を短期に、確実に予知するような、信頼性のある予兆というものは知られていない。しかし100年以上に及ぶ地震研究を経て、どの地域にリスクがあるかをより詳細に知ることができる。震度、期間、地域等は非常に高度な正確さをもって推定することができる。このことから早期警報システムの開発は中心的な役割を担うことになる。
今秋BMBFは新しい研究プログラム「持続性のための地球研究」(GEO-N)をスタートさせることを計画しており、この中で自然の災害の早期予知というテーマが中心的な役割を果たすことになる。このプログラムは10年間の予定であり、初の助成告示の対象はジオ・リスクの早期警戒であり、国際的な研究アライアンスに呼びかけを行う。
GFZは地震の危険に関する世界地図を作成しており、常に、新しい方法を用いながら更新されている。地震の計測はサイズモメーター(地震計測用マイクロフォン、地動計測器)を用いて行われ、世界的にネットワーク化されている。ドイツでは地震計測ステーションが連邦地球科学資源研究所(BRG)及び国立地質学研究所にあり、その他、数研究機関によって運営されている。
地震に対する最善の防護は建物の安全な建築であることに変わりはない。ドイツは欧州マクロ・サイズモ・スケール(EMS)の開発において中心的な役割をはたした。これは30か国語に翻訳され、耐震建築の基礎となっている。
ドイツはジオ・リスクの研究において主要国の一つとなっている。BMBFはこのため10年前から継続して国レベル及び国際レベルのジオ・リスク研究及び早期予知に関するプロジェクトを支援し、これまで地震を含む自然災害の危険性に関する研究に3,600万ユーロを支出している。
[DW編集局]