[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/04/21
抄訳記事公開日:
2015/06/08

中国、世界初の第4世代商業用原子力発電所建設へ

世界首座商用第四代核电站有望在江西瑞金建成

本文:

2015年4月21日付の「中国科学報」ネット版は、「中国、世界初の第4世代商業用原子力発電所建設へ」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国核工業建設グループ(CNECC)が発表した情報によると、中国の第4世代原発技術-高温ガス冷却炉技術は、基礎研究、実験炉、実証炉の建設を経て、実用化に向けて再び重要な一歩を踏み出した。江西省瑞金市の高温ガス炉の原発プロジェクトが世界初の第4世代商業用原子力発電所になる見込みである。

一、建設経緯:
中国核工業建設グループと清華大学が2003年に第4世代原子炉技術「超高温原子炉」の実用化の研究を開始して以来、十数年間で実験炉の段階から徐々に成熟化に向かっている。
1. 2003年1月、「863計画(国家ハイテク研究発展計画)」の重点プロジェクトとして、10MW高温ガス冷却型実験炉におけるグリッド接続発電を実現した。
2.山東省の石島湾高温ガス冷却炉原子力発電所が2012年12月に着工され、2017年までに稼働を始める予定。
3. 60万KW級の超高温原子炉・江西省瑞金原発プロジェクトの初歩的なフィージビリティ調査報告書が、このほど専門家の審査に合格した。国家発展改革委員会による批准を受け、それに国家核安全局から建設許可証を取得すれば、同プロジェクトの1期プロジェクトの2基の原子炉は、2017年着工となる見通しである。

二、安全性:
第3世代原子炉である加圧水型原子炉技術とは異なり、高温ガス炉はどのような事故が発生しても炉心溶融や大量の放射線漏えいが発生せず、安全性が高い点で、人間の健康と環境に影響をもたらさない。

三、国産化:
高温ガス炉は中国が独自に知的財産権を持つ先進的な原発技術で、その設備の国産化率 95%以上という目標が達成される。

四、国際化:
国家エネルギー局、国家原子能機構、科学技術部等の主管部門の支持による中国核工業建設グループはアラブ首長国連邦·ドバイ、サウジアラビア、南アフリカ等の国と地域に対して、商業化高温ガス炉の技術を積極的に推進する。そのうち、中国とドバイ原子力委員会はこのほど原子力発電所の技術協力で了解覚書を締結した。

[JST北京事務所]