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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- [DW編集局]
- 公開機関:
- 報道センター
- 元記事公開日:
- 2015/05/06
- 抄訳記事公開日:
- 2015/06/08
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欧州委員会、「デジタル単一市場」実現に向けた16のイニシアティブを発表
A Digital Single Market for Europe: Commission sets out 16 initiatives to make it happen
- 本文:
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“欧州委員会は、2015年5月6日に標題のプレスリリースを発表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州委員会は、本日、「デジタル単一市場」を創造するための詳細な計画を発表し、最優先事項の一つとしてそれに取り組んでいく。本日採択された「デジタル単一市場戦略」には、来年の終わりまでに実行するための一連の行動目標が示されている。それは、次の3本の柱から成っている;(1)欧州にまたがるデジタル商品及びサービスに対する、消費者と企業のアクセスを改善すること、(2)デジタル・ネットワークと革新的なサービスが繁栄していくための適切な条件と公平な競争の場を創り出すこと、(3)デジタル市場の成長可能性を最大化すること。
「デジタル単一市場戦略」は、欧州委員会が2016年末までに実施する3本の柱の下で、16の主要アクションを打ち出している。
● <第一の柱:欧州にまたがるデジタル商品及びサービスに対する、消費者と企業のアクセスを改善すること>
1.国境を越えたeコマースをより簡単にするためのルール。これには、オンラインで買い物をした場合の契約と消費者保護に関する調和のとれたEUのルールを策定することも含む。
2.「消費者保護協力規定」(”Regulation on Consumer Protection Cooperation”)の見直しにより、消費者ルールをより迅速かつ継続的に守らせること。
3.より効率的で手頃な値段の小荷物配送。オンライン販売を行おうとしている企業の62%が宅配コストの高さが障壁になっていると述べている。
4.不当な”geo-blocking”-オンライン販売業者が、消費者がウェブサイトへアクセスするのを所在地によって拒否したり、別の価格の地元の店舗に転送(リルート)したりする利益目的の差別的な行為-を終わらせること。
5.欧州eコマース市場に影響する潜在的な競争上の不安を特定すること。そのために、欧州委員会は、本日、EUのeコマース・セクターに対する反トラスト競争調査をスタートした。
6.現代的でより欧州的な著作権法:加盟国間の著作権規制の違いを減少させ、EU内の作品に対する幅広いオンラインのアクセスを可能とするための法規制の提案が2015年末までに行われる。
7.「衛星・ケーブル指令」の見直し。これは、放送局のオンライン配信に対する同指令の適用範囲を拡大する必要があるかどうかを調査し、欧州内放送局サービスに対する国境を越えたアクセスを増やしていくための方法を探るためのものである。
8.消費税制度が国ごとに異なるために事業者が直面する経営管理上の負担を削減すること。●<第2の柱:デジタル・ネットワークと革新的なサービスが繁栄していくための適切な条件と公平な競争の場を創り出すこと>
欧州委員会は2016年末までに以下の5つの取り組みを実施する:
9.EUの電気通信ルールに関する野心的で徹底的な見直しを行うこと。これには、より効果的な周波数調整や国レベルの周波数割当に関する共通の全EU規格などが含まれる。
10.21世紀に適した視聴覚メディアの仕組みの見直しを行うこと。これは、欧州の作品のプロポーションを行っている様々な市場内のプレイヤー(TV放送局、オンデマンド音声映像サービス提供者など)の役割に焦点を当てたものとする。
11.オンライン・プラットフォーム(検索エンジン、ソーシャル・メディア、アプリ・ストアなど)の役割に関する包括的な分析を行うこと。また、インターネット上の違法コンテンツに対処する最善の方法について検討を行うこと。
12.特に個人データの取り扱いに関するデジタル・サービス上の信頼性と安全性を強化すること。また、2015年末までに採択される新しいEUデータ保護法に基づき、「eプライバシー指令」(”e-Privacy Directive”)の見直しを行うこと。
13.オンライン上のネットワーク・セキュリティのための技術・手法を提供するサイバーセキュリティ産業との連携を提案すること。●<第3の柱:デジタル市場の成長可能性を最大化すること>
欧州委員会は、2016年末までに以下の3つの取り組みを実施する:
14.EU内でのデータの自由な移動を促進するための「欧州の自由なデータフロー・イニシアティブ」を提案すること。また、クラウド・サービス、クラウド・サービス事業者の切り換え、リサーチ・クラウドの認証を取り扱う「欧州クラウド・イニシアティブ」も発表すること。
15.「デジタル単一市場」にとって重要な分野-例えば、eヘルス、輸送計画、エネルギー(スマート・メータリング)など-における標準や相互運用性のための優先事項を定義すること。
16.市民がインターネットを活かして仕事に就く機会を増やしていくために必要なスキルを持っている、包括的なデジタル社会を支援すること。新しい「e政府アクション・プラン」では、欧州全体で職業登録を連携付ける。これにより、異なる国別のシステムが相互に作動することができ、企業と市民が公的機関にそれぞれの情報を一度だけ提出すれば、政府は同じ情報を何度も彼らに要求しなくてもすむようになる。この「一度だけ」(”only once”)イニシアティブによって役所流の形式主義が撤廃できれば、潜在的に2017年までに年間50億ユーロ近くが削減できる。「電子調達」や相互運用可能な「電子署名」の水平展開も加速されてくるだろう。●<次のステップ>
「デジタル単一市場」プロジェクト・チームは、2016年末までに上記の様々な取り組みを実施する。欧州議会と欧州理事会の支持を得ることで、「デジタル単一市場」はできるだけ早く完成されるべきだ。「デジタル単一市場」は、6月25・26日の欧州理事会会議の議題になる予定である。<関連リンク>
・「欧州のデジタル単一市場戦略」コミュニケーション本文
http://ec.europa.eu/priorities/digital-single-market/docs/dsm-communication_en.pdf [DW編集局]