[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ノルトライン=ヴェストファーレン州 イノべーション・科学・研究・技術省
元記事公開日:
2015/05/25
抄訳記事公開日:
2015/06/12

アビトゥア(大学入学資格)なしでも大学生に

Ministerin Schulze: Studieren ohne Abitur muss eine Selbsverständlichkeit werden

本文:

ノルトライン・ヴェストファーレン州の大学では大学入学資格(アビトゥア)を持たず、代わりに職業資格認定による大学生の数が増加し続けている。これに関してノルトライン・ヴェストファーレン州イノベーション科学研究省は概略下記のような報道発表を行った。

アビトゥアを持たずに大学で学ぶ学生が増加している。ノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW)ではアビトゥアと同等と認定された職業資格で大学に入学した学生が増加している。2014/2015冬期セメスターにおいて職業資格によって進学した学生が既に1,260人を数えている。NRWはこの領域において連邦全体でトップの位置をしめている。

専門大学における学生総数は2010/2011冬期セメスターから2014/2015冬期セメスターに至る期間において487から842人へと増加した。総合大学においてはこの数字は190から417人へと倍以上の増加となっている。女性と男性のこの数値を比較すると、ほぼ同じとなっている。

シュルツェ大臣は、「NRWはあらゆる人材を必要としている。学習システム間のより大きな透過性を図ることにより、更に資格を得ようとする者全てに対して、このことを可能にしていかなければならない。このためアビトゥアを持たない学生はごく当たり前のことにならなければならない」と語った。

大臣は正規の学術セクターとの接触に対する不安がなくなるよう支援するためにモデル・プロジェクトを通じて支援することにした。合計90の職業資格のためのハンス・ボックラー財団の奨学金プログラムにはデュイスブルク・エッセン総合大学及びニーダーライン専門大学が協力パートナーとして参加している。

「アビトゥアなしの大学入学」には以下三つの種類がある。
1. マイスターあるいは同等のキャリア向上継続教育を受けた人間は直接大学へ進学可能。NRWの全ての専門大学及び総合大学におけるすべての課程に直接進むことができる。
2. 少なくとも2年間の職業訓練を終了し、かつ少なくとも3年間その習得した職業に従事した者で大学での勉強意欲をもつ者は直接及び入学試験を受けずに、その教育及び職業実践に対応した大学課程に進むことができる。これに関してはそれぞれの大学が個々に事例を決定する。
3. 最低2年間の職業訓練を終了し更に3年間の職業経験を有する場合、大学進学希望者はアビトゥアなしに、その職業に対応しない専門科目について学ぶことができる。このことは、訓練後子供の養育或いは家族の看護等を行った場合も適用される。この期間は職業実践期間として認められる。これらの資格をもって該当者は試用学習(認可制限のない学習課程)或いはそれぞれの大学における入学試験のいずれかを選択することができる。

[DW編集局]