[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2015/04/27
抄訳記事公開日:
2015/06/17

米エネルギー省(DOE):先端地熱井涵養システム(EGS)第1フェーズのプロジェクト選定を発表

Energy Department Announces Project Selections in First Phase of Cutting-Edge Enhanced Geothermal Systems Effort

本文:

米エネルギー省(DOE)による4月27日付の発表記事の概要は以下のとおりである。

オバマ政権の包括的な(all-of-the-above)エネルギー戦略の一環として、米エネルギー省は、複数の段階からなるFORGE運動(Frontier Observatory for Research in Geothermal Energy 地熱エネルギー研究のための前線観測所)の第1フェーズとして、総額200万ドルに上る5つのプロジェクトの選定を発表した。地熱井涵養システム(Enhanced Geothermal Systems : EGS)の最先端研究に特化したこの野外実験室は、米国内産の地理的に多様な無炭素のクリーンエネルギー源を解放して米国の1億戸の家庭に電力を供給する可能性を開く。FORGE運動の最初の2フェーズでは選定されたチームに2年間で総額3,100万ドルが提供される。

DOEは再生可能エネルギーに対するこれらの重要な投資を通じて無炭素エネルギーを手頃な価格で何百万戸もの米国の家庭と事業者に供給する地熱システムを設計するための費用対効果の高い技術の開発を支援している。EGSは再生可能エネルギーの次期開拓分野の可能性を秘めており、温室効果ガスの大気への放出を削減しながら米国のエネルギー選択肢を多様化する。EGSは、地表の下に設計される地熱の貯留層で、そこには流体の進路が制約されている高温岩体が存在する。EGSの開発段階では地下の流体の進路が安全に創設され、その規模や結合性が拡大される。この様な強化された進路は流体を高温岩体中に隈なく循環させて熱を地表に送り出して発電する。EGSの開発は、100ギガワット以上の採算の合う発電能力を米大陸にもたらす可能性があり、これは現有の地熱容量の二桁倍増を意味する。

FORGEイニシアチブは3フェーズよりなり、今後2年間にわたって予定されている最初の2フェーズでは用地及び実行チームの選定、並びに用地の準備と完全な特徴付けに注力する。本日選定された5つのチームはカリフォルニア州、アイダホ州、ネバダ州、オレゴン州とユタ州からのプロジェクトを代表し、それぞれのチームは向こう1年間、サイトでの採算性やチームがFORGEの目標を達成可能な事を示すための、事業に不可欠な技術的並びにロジスティックスの業務に取り組み、また第2フェーズの計画を作成する。第1フェーズでの業務内容には地質学的概念モデリング、並びに情報発信、知的財産、環境安全衛生に関する情報、広報活動、ステークホルダー・エンゲージメント、R&Dの推進、及び環境管理などに関する詳細計画の作成を包含する。

第2フェーズでは2,900万ドルに上る資金が提供され、来年最大3チームが選定されて最終の第3フェーズにおける候補地でのFORGE本格稼働に向けて高度な機器化、特徴付け並びに、候補地での操業を可能とするための作業に取り組む。

予算配分が承認されればとの条件付きではあるが、第3フェーズでは単一の事業チームにより管理された1か所の候補地でのFORGEの完全実施に必要な資金を提供すると見込まれている。この最終フェーズは、共同研究戦略により導かれ、改善、最適化及びEGSの採用に伴うコスト削減がなされる様に設計された年毎のR&D提案書により執行される。この段階では、産・学と国立研究所のパートナーが貯留層特性、貯留層創生、貯留層持続性など候補地での重要な研究領域で新奇で創造的なR&Dを継続的に行う機会が与えられる。

詳細についてはFORGE運動のURLを参照 http://www.energy.gov/eere/forge/forge-home

[DW編集局+JSTワシントン事務所]