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国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)
元記事公開日:
2015/05/14
抄訳記事公開日:
2015/07/06

エネルギー省(DOE)エネルギー効率化、エネルギーイノベーションの道筋を示す23の新プロジェクト

Department of Energy Announces 23 New Projects to Improve Efficiency and Create New Technology Pathways for Energy Innovation

本文:

2015年5月14日付のエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の発表記事の概要は以下のとおりである。

エネルギー省のARPA-Eは、火力発電所向けの高効率で拡張可能な乾式冷却技術並びに核融合発電への新しい道筋を研究するプロトタイプ技術の開発を目的とした23の革新的な新プロジェクトに対する6,000万ドルに上る助成金について発表した。プロジェクトのファンディングはARPA-Eの最新の2つの計画、すなわち乾式乾燥の先端研究(Advanced Research in Dry cooling, ARID)と、低コストプラズマ加熱とアセンブリの加速(Accelerating Low-cost Plasma Heating and Assembly, ALPHA)を通して行われ、何れも低コストの技術的ソリューションの開発を目指す。ARPA-Eはより手頃な価格で持続可能な未来エネルギーを確保するための広範な技術的オプションの開発に取り組み、エネルギーR&Dの推進を支える。

乾式冷却の先進研究(ARID)3,000万ドル
ARID計画は、高効率で熱から電気へ変換して同時に大気への水分放散をネットでゼロにする様な革新的な複数の新発電所冷却技術に投資する。計画では14のプロジェクトチームに3,000万ドルを提供して斬新な超高性能空冷熱交換器、補助冷却及び/又は排熱を効率的および省コスト的に除去する蓄冷システムの開発を支援する。これらの技術が著しく性能を落とすことなくメガワットの冷却容量まで規模拡大できるように支援するために、プロジェクトチームはキロワット規模のテストプロトタイプの設計に取り組む。成功すれば、これらの新冷却技術は発電所の性能を犠牲にする事無く又は冷却コストを増大させる事無く、火力発電所における水の使用量を著しく削減できる。ボールダーのコロラド大では発電所での高効率低コスト補助冷却を可能にする放射冷却蓄冷モジュール(radiative cooled-cold storage moduel)と“RadiCold”と称されるシステムを開発する。

低コストプラズマ加熱とアセンブリの加速(ALPHA)に3,000万ドル
ARPA-EのALPHA計画では3,000万ドルを支援し、中間密度領域を研究するための技術を創生する9つのチームを支援し、既存の技術より更に低コストで核融合発電開発のための土台作りを目指す。この計画では核融合発電に向けた新しい道筋の基礎を構築するための方法を開発する。ALPHAは低密度磁場閉じ込め核融合(MCF)と高密度慣性核融合(ICF)の間の中間イオン密度領域(intermediate ion density regime)のアプローチに重点的に取り組む。この中間密度領域は既に成熟したMCFやICFのアプローチに比べて従来ほとんど研究されておらず、エネルギーと出力要求が、パルス発電又はピストン駆動による圧縮方式の様な低コスト技術と互換性のある様な核融合炉の新たな機会を提供する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]