[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/06/26
抄訳記事公開日:
2015/07/15

植物の効率的、持続的利用

Pflanzen effizient und nachhaltig nutzen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)と連邦食糧農業省(BMEL)がその助成策を植物研究における共同イニシアチブにまとめることになり、これに関して下記のような報道発表を行った。

増大する人口に対する食糧、資源、エネルギーの供給は21世紀における最重要課題の一つである。これに関して植物は中心的役割を担っている。このためBMBFとBMELはその助成制度を植物研究における共同イニシアチブに結束させることになった。両省は肩をくむことによってドイツにおける植物研究、植物栽培を強力に支援し、国際的な競争力とドイツ植物研究のトップの位置を堅持し、拡大しようとするものである。両省は合計で約6,400万ユーロをこの助成イニシアチブのために用意している。

シュミットBMEL大臣は植物多様性の維持と栽培の革新的研究に焦点を当て、「目標は、自然資源を保護し、有効かつ持続可能な形で利用することにある。増大する世界人口への供給を確保することができる」と語った。大臣はまた資源保護と高い品質を考慮した植物生産はドイツの農業にとって最も重要である、と強調した。

BMBFは助成イニシアチブの中で、実用指向の学際的な基礎研究合同プロジェクトそして若手研究者養成を助成していく。ヴァンカ連邦教育研究大臣は「干ばつにおいても、やせた土壌でも収穫できる穀物。健康に良い物質を特に高度に含む果実、高価な資源となる植物。こうした例は、世界的に増大する食糧需要或いは気候変動等の重要課題を克服するために植物研究が重要な貢献を果たすことを証明するものである。それだけに、植物の栽培者及び農業科学者が共同で、植物の特性を改善し、植物栽培が環境に優しく、同時に素晴らしい収穫をもたらすようにするため、その努力を強化する事が重要である」と語った。
共同振興の枠組みで、一方で収入を守り、片方で天然資源を保護する持続的植物利用を可能にするような栽培プロジェクトを振興する。これまでBMBFは例えば「菜種の収穫増加に特定した栽培」(PRE-YIELD-BREED)と題するプロジェクトを振興してきた。これは菜種における新旧の遺伝子の多様性を開発し、新しい、収穫量の多い、抵抗力のある、効率の良い菜種の種類を開発する基盤を創ることを目標としたものである。

また既に両省によって振興される計画において、バリューチェーンに添ったタンポポ(Taraxacum koksaghyz)の持続可能な利用に関する条件を整備するものがある。この目標はタンポポをラテックス、ゴム、イヌリンを造る持続可能な資源として開発することである。得られたゴムはタイヤ製造に利用でき、既にプロトタイプがテストされている。イヌリンは食糧産業において例えば糖尿病患者用食品におけるコンスターチの代用に用いられる。

[DW編集局]