[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/06/23
抄訳記事公開日:
2015/07/17

中国科学院(CAS)のブレークスルー

中科院取得一批重大科研成果

本文:

2015年6月23日付の「中国科学報」ネット版は、「中国科学院(CAS)のいくつかの研究成果においてブレークスルーがあった」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

一、遺伝学の研究を通じて、欧州に生活していた早期現代人の祖先とネアンデルタール人(The Neanderthal man)の間に交雑があったことを発見した。

中国科学院(CAS)·古脊髄動物・古人類研究所はこのほど、ドイツ、アメリカ、ルーマニアなど各国の学者と協力し、旧人骨のDNA解析による欧州に生活していた早期現代人の祖先とネアンデルタール人(The Neanderthal man)の間に交雑があったことを発見した。この成果をまとめた論文は、世界的に権威のある英科学誌「ネイチャー」に発表され、人類進化学分野における重大な発見である。

二、幹細胞における遺伝安定性·調節メカニズムを解明した。

中国科学院(CAS)·昆明動物研究所の研究者は初めて多能性幹細胞における遺伝物質の安定性を維持する特有の分子基盤と調節メカニズムを解明し、その関連研究成果は英科学誌「ネイチャー」に発表された。研究者はネズミの胚胎幹細胞を例に、胚胎幹細胞における遺伝物質の安定性を維持する調節キー因子―Filiaを発見し、Filiaが多能性幹細胞における遺伝物質の安定性の維持において重要な意義を持つことを示した。この結果は、多能性幹細胞における遺伝物質の安定性評価に簡単かつ有効な分子マーカー(Molecular marker)を提供する。

三、高指数結晶·酸化コバルト触媒により貴金属を代替する方法を発見した。
中国科学院(CAS)·金属研究所は中国科学院(CAS)·寧波材料技術·工程研究所、中国工程物理研究院と協力して、炭素被覆コバルトの磁気ナノ構造におけるグラファイトシェルの束縛効果によって高指数結晶·酸化コバルト触媒を合成し、メタンの触媒燃焼反応で貴金属―パラジウム、プラチナを代替する潜在能力を発見した。本研究成果は、英科学誌「ネイチャー·コミュニケーションズ(電子版)」に掲載された。現在、研究者はグラファイトシェルの誘起効果による変原子価·遷移金属酸化物を合成して、触媒、蓄積エネルギー、燃料電池における潜在的な応用を探索中。

[JST北京事務所]