[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/06/29
抄訳記事公開日:
2015/07/28

人間の役に立つイノベーション

Innovationen zum Menschen bringen

本文:

デモグラフィー未来会議が開催されることになり、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

デモグラフィー未来会議のテーマは、いかにして新しい技術によって生活を向上できるのか、というものである。その中心となる問題は、技術を人間のために役立てられるのか、その際社会的、倫理的な問題について深く考慮できるのか、どのような技術が実際に役に立ち、人間に受け入れられるのか、「共に学習し」、人間の個人のニーズにしっかりと焦点をあわせることができる技術に到達できるのか、というものである。

特に焦点を当てられるのは、デジタル化、教育、看護、保健、モビリティの領域のスマートな技術であり、「共に学習」のアクティブなパートナーとして人間の個人のニーズにしっかりと対応するものでなければならない。例えば、ストレスのかかった状況において自動的に音楽の音量を下げられる考える自動車であり、高齢者がいつ水分を採ったか、少なすぎないかを自動的に認識するスマートコップである。

人間と技術のインタラクションはますます強くなり、ネットワーク化されて行動している。例えば駐車支援システム、健康管理用フィットネス・アームバンドを利用している。BMBFの助成による後継者プロジェクトFANSにおいては、スマート・センサーによって高齢歩行者の道路歩行時の姿勢および動きをアシストする歩行支援装置を研究しており、それは道路を横断する前に自動車の接近や障害物を教えてくれるものである。

ヴァンカ大臣は会議に関し、「技術は人間に役立ち、生活を改善するものでなければならない。また明確な社会的な有意性を持ち市民に受け入れられるものでなければならない」と語った。連邦政府は「新ハイテク戦略」の中でより多くのイノベーション、技術的なイノベーションはもとより、社会的イノベーションをも重要視している。

BMBFは人間・技術インタラクションに関する研究を年額約7,500万ユーロで支援している。工学・ロボティクス、哲学・心理学、ニューロサイエンス・認知科学、IT専門家・デザイナー、医師・看護師等の専門分野の350人以上の研究者が2日間の会議のためベルリンに招かれた。会議の目的は技術的支援による更に豊かな生活のためのインパルスを生み出すことにある。

「人口高齢化における人間・技術・インタラクション」の領域におけるBMBF研究助成は将来さらに強くインターアクティブ技術に対して向けられ、人口構造が変化していく社会における利益と繁栄のためにこれらの技術のポテンシャルを振興していくことになる。

[DW編集局]