[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス連邦材料試験研究所(EMPA)
元記事公開日:
2015/06/25
抄訳記事公開日:
2015/08/03

セル変換効率25%の薄膜太陽電池開発を目指す「Sharc25」

«Sharc25» aims at 25% efficiency with thin-film solar cells

本文:

スイス連邦材料試験研究所(Empa)の2015年6月25日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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2015年5月から開始された欧州の研究プロジェクト「Sharc25」は、より費用効果の高い次世代の太陽電池モジュールに用いる、超高効率のセル変換効率を持つ薄膜太陽電池の開発に着手する。ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州太陽エネルギー水素研究センター(Centre for Solar Energy and Hydrogen Research Baden-Württemberg:ZSW)が、8ヵ国11機関の研究パートナーで構成されるコンソーシアムの調整役を務める。プロジェクトは3年半にわたって実施され、「ホライズン2020」プログラムを通じてEUから資金提供される460万ユーロに加え、スイス連邦材料試験研究所(Swiss Federal Laboratories for Materials Science and Technology:Empa)を始めとするスイスのパートナー機関の参加を支援するためにスイス政府から提供される160万ユーロを受領する。このプロジェクトの成果が、欧州の太陽エネルギー産業を大きく後押しするものと期待されている。

Sharc25は、CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)による薄膜太陽電池のエネルギー変換効率25%達成という、従来最高値を3%以上更新する目標を掲げる非常に野心的なプロジェクト。EmpaはフレキシブルCIGS薄膜太陽電池の研究に長く従事しており、エネルギー変換効率の世界記録を保持している。

このEUプロジェクトの背景には、各研究機関の学際的なスキルをプールし、より安価で効率的な太陽電池を開発しようという構想がある。

また今回のプロジェクトで、研究者には研究成果を産業用途に転換する戦略を考案することが要求されている。

[JSTパリ事務所]