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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/07/03
- 抄訳記事公開日:
- 2015/08/03
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安価な電気自動車
- 本文:
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ドイツ連邦政府は電気自動車のコスト低減に関する研究を強化する。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
BMBFは電気自動車生産におるコスト低減に関する研究に力を注ぐ。ポイントとなるのは駆動装置、バッテリー、電気自動車における高電流のコントロールに関連するパワーエレクトロニクスである。BMBFは年額約8,300万ユーロで電気自動車研究を支援する。
ヴァンカ大臣は「電気自動車の価格水準を手ごろなものにしなければならず、電気自動車の製造のコストをより低くしなければならない。それが研究助成の目標である。目指すはイノベーションであり、納税者の負担による購入補助ではない」と語った。
スタートしたプロジェクト”HV Modal”は3年後に、ドイツにおいてより長い航続能力を有し、より高性能の駆動装置を実現しようとするものである。そこでは様々な性能別および用途別のエンジンに関するオファーが格段に拡大されていなければならない。このプロジェクトにおいて学界と経済界は密接に協力する。これに参加しているのはInfineon Technologies (Projektkoordinator)、 フランホーファー協会、ダイムラー、BMW、ハノバー総合大学、ミュンヘン連邦防衛軍大学、アーヘン工科大学である。このプロジェクトはBMBFが助成し、予算は約420万ユーロとなっている。
BMBFが690万ユーロを投入するプロジェクト”VisioM”は、既に日常利用できる電気自動車として価格や性能において競争力を有することに成功している。2014年末プロジェクトは終了し、ミュンヘン工科大学と産業界が合同で、シリーズ生産という条件下で旧来の小型車と比べて価格的に不利にならない小型電気自動車を開発している。
またBMBFはデモプロジェクトとしてEmiLE(電動モーター統合パワーエレレクトロニクス)において電気自動車のパワーエレクトロニクスを駆動装置に直接組み込むことで、効率と性能を大幅に引き上げ、シリーズ生産のコストを削減しようとしている。産業界のパートナー企業数社(ZF Friedrichshafen, AixControl,Infineon Technologies, Robert Bosch, Siemens etc.) と合同で必要な技術をBMBFからの資金1,000万ユーロで研究している。
更にBMBFはバッテリー研究を助成しており、合同プロジェクト”GIGA-LIB”をスタートさせた。これはドイツにおけるバッテリー生産確立のための研究を500万ユーロで支援するものである。VARTA Microbattery社のコーディネートのもとThyssenKrupp System Engineering、太陽エネルギー水素研究センター(バーデン・ヴュルテンベルク州)等数社によるコンソーシアムにおいて今後2年間に電気自動車にインテグレートするモジュール構造のリチウム・イオン電池の生産方法を研究する。
ヴァンカ大臣は「イノベーション、インフラ整備、利用のための有利な基本条件、これが電気自動車成功のための最善の基盤である」と語った。
[DW編集局]