[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦政府
元記事公開日:
2015/07/11
抄訳記事公開日:
2015/08/11

技術開発を遅滞なく産業応用する

Merkel: Technologische Entwicklungen zügig anwenden

本文:

メルケル首相は、第5世代移動通信(5G)の開発を迅速な応用につなげることが肝要であると語り、例として遠隔医療や生産プロセスの制御を挙げている。これに関して連邦政府新聞情報庁(FFO)は下記のような報道発表を行った。

メルケル首相はマイクロエレクトロニクス・クラスター・ドレスデン(ドレスデン市)の訪問に際し、同市は5G標準の開発において牽引車の役割を果たしていると称賛しながらも、新しい技術をただ理論的に研究するだけでは十分ではない。従来の製造業や社会的な過程の中に取り入れて初めて意味があると語った。5Gはより大きなデータ量のためというより、今日の4G標準よりもはるかに高速のデータ伝送(ミリ秒を下回るリアクション・タイム)のためのものである。

同首相は改めて、「欧州、特にドイツ国内における競争に打ち勝つことに力を注がなければならない。例えば、アメリカの大きなインターネット会社が製造業に進出し消費者へのアクセスに成功したとする。これに対して工業生産力を有するドイツがインターネットビジネスの単なる下請けでしかないという事態になれば、ドイツはこの競争に勝てなかった、ということになる」と語った。また「我々ができることをデジタルの可能性によってネットワーク化していかなければならない」と強調した。首相は「ドレスデンをはじめその他各地でもマイクロエレクトロニクス・クラスターが存在し、応用指向的な活動をしていることを歓迎する」と語った。

メルケル首相はまたスピンオフの重要性も強調した。大学やマックス・プランク研究所等の起業は科学的研究と実際の産業応用とを結びつける「良き架け橋」である、とした。デジタル化は製造業の「更なる発展にとって中心的なもの」であると言明した上で、「ドイツは機械産業或いは自動車産業における優秀な経験と結びつくところでチャンスを有している。デジタルの可能性と実際の経済が結びつくところでドイツはトップの位置を得ることができる」と語った。
連邦政府のデジタル・アジェンダに関連して、自動走行を例にとりその重要性を説明。「ドイツは今日優れた自動車を生産できる、しかし自動車そのものついて更に考えなければならない。法的な問題‐自賠責から損害補償保険、データ保護からその他の問題、またデッドスポットのない安全確実で非常に広帯域な無線のコネクションの構築も必要である」と語った。

[DW編集局]