ビジネス・イノベーション・技能省（BIS）の2015年6月22日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

2015年6月22日、アンナ・スーブリー（Anna Soubry）BIS／小企業・産業・事業担当大臣は、コベントリーに先端研究の新規施設（航空宇宙研究センター及びネットシェイプ・付加製造技術国立センター）を開設し、航空宇宙分野で英国が世界をリードする国であり続けるため、　新規の技術プロジェクトの実施を発表した。

スーブリー大臣はコベントリーの製造技術センター（MTC、高価値製造カタパルトの拠点研究所の1つ）で行った講演において次のように述べている。
「航空宇宙市場において英国が世界のトップであり続けることができるよう、産官が一体となって取り組んでいる。新規航空機の需要は記録的な水準にあり、今後2032年までに約4万5,000機の新規航空機及び4万機のヘリコプターが必要とされ、これは5兆ドルを超える規模に相当する。これは英国経済に数10億ポンドの事業をもたらすが、その前提として、翼、エンジン、ヘリコプター、先進システム、及びサービスにおける世界トップレベルの能力が英国にはある。」

今回発表された4件のプロジェクトは、航空宇宙技術研究所（ATI）が主導する航空宇宙研究開発に関して、21億ポンドもの産官共同ファンディングを受ける。当該4プロジェクトは以下のとおり。

・抗力の原因となる翼表面の欠陥を除去して滑らかにする方法を研究するAirbus社に対して720万ポンド
・IoT（モノのインターネット）などの先駆的技術を航空機の工場生産に適用する方法を研究するMeggitt社を主体とする5機関に対して500万ポンド
・英国のサプライチェーンのコスト競争力の改善を図る目的で、先進自動組み立て技術（未来の工場）の研究を実施する Spirit AeroSystems社、先進製造技術研究センター（AMRC）、及びAeromet社に対して640万ポンド
・大量・低コストの先進複合製品を製造する生産ラインの立ち上げにAMRCと協働して当たるUTC Aerospace Systems社の支援に440万ポンド

航空宇宙研究センター及びネットシェイプ・付加製造技術（3Dプリンティング）国立センターの新設は、産官の共同出資によるもので、2014年1月に財務大臣により発表された。航空宇宙研究センターでは、各企業が航空機、ジェットエンジン、民用ヘリコプターに使用する軽量炭素繊維などの新素材を開発することが可能となる。3Dプリンティング・センターでは、航空機エンジン及び航空機着陸装置向けの新製品のほか自動車・医療機器向けの新製品を開発する。

スーブリー大臣はまた、中小企業、学界及び研究開発機関を対象とした新規1,000万ポンドの画期的航空宇宙技術の発掘コンペティションの開始を発表した。Innovate UKが応募を受け付ける。

[DW編集局]