[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)
元記事公開日:
2015/06/18
抄訳記事公開日:
2015/08/14

高効率の住宅用コージェネレーション及びバイオエネルギー用作物の開発に18の新プロジェクト

Department of Energy Announces 18 New Projects to Accelerate Technologies for Efficient Residential Combined Heat and Power Generation and Bioenergy Crop Development

本文:

2015年6月18日付のエネルギー省(DOE)エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)によるGENSETS及びTERRAの両プロジェクトに関する発表記事の概要は以下の通りである。

ARPA-Eは最新のプログラムGENSETSとTERRAの一部を構成する18の革新的なプロジェクトに対して総額5,500万ドルの助成金を発表した。

1.小型発電・熱システム(GENerators for Small Electrical and Thermal Systems、GENSETS) プロジェクトは住宅用のコージェネレーション(CHP)の効率改善につながる発電技術の開発を目的とする。GENSETSプロジェクトチームは先進的な発電機を開発してパイプで供給された天然ガスで発電しながら廃熱を活用して暖炉や温水器の消費エネルギーを低減する。又、家庭用電力供給の信頼性向上とCO2排出の削減をもたらす。

プログラムは改良された住宅用天然ガス発電機の設計、製造及び試験を支援するために12のプロジェクトチームに2,500万ドルを助成する。小型CHPシステムをより経済的なものとし且つ広く採用されるようにするために、GENSETSプログラムでは手頃で求めやすい価格で提供できる高効率で耐久性のある1KWのシステムの開発に挑む。今回選出されたプロジェクトチームは4つの技術重点領域即ち、内燃機関、スターリングエンジン、ミクロタービン及び固体デバイスに分けられる。GENSETSプロジェクトの1例として、Brayton Energy社の容積式のブレイトンサイクルエンジンの開発が挙げられている。

2.再生可能農業から輸送エネルギー資源(Transportation Energy Resources from Renewable Agriculture、TERRA)プロジェクトはバイオマスから再生可能な輸送用燃料を生産するためのエネルギー作物の開発を加速する事を目的とする。ARPA-EのTERRAプログラムでは農業、情報技術とエンジニアリングを独特の方法で統合して持続可能な、安価でバイオエネルギー向けの植物原料を豊富に生産する作物の開発に取り組む。当プログラムは大規模な物理的並びに遺伝的な特性評価を先進アルゴリズムと結びつけて、伝統的な手法による植物育種の収穫高増加と作物の形質の発見を加速するためのシステムを奨励する。TERRA プログラムは、より優れた植物リモートセンシング、解析、育種方法を開発する事によりバイオ燃料の製造に使用される作物であるソルガムの品種改良を担う6つのプロジェクトチームに3,000万ドルを提供して支援する。

プロジェクトチームは植物の特性を観察して記録する感覚システムを備えたモバイル・プラットフォームを開発し、データの解析と植物の生長性を予測する先進アルゴリズムを生み出す。更には、TERRAプログラムはソルガムの遺伝子型とフィールド表現型により構成される大規模公共データベースの構築をファンディングする。

TERRAプロジェクトの1例としてイリノイ大学などが取り組んでいる移動式エネルギー作物フェノタイピング・プラットフォームがある。チームは作物の畑の中で畝の間を走行する小型の自動探査車を開発して、作物の生育を測定し、パフォーマンスの生理学的指標を評価する。チームは更に、精緻な生物物理学的成長モデル及びDNA塩基配列決定法技術を駆使してエネルギー用ソルガムの改良の加速と、植物パフォーマンスを制御する重要な遺伝子を特定するための革新的方法を開発する

[DW編集局+JSTワシントン事務所]