[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/07/22
抄訳記事公開日:
2015/08/18

外国人学生数が初めて30万人を突破

Erstmals über 300.000 ausländische Studierende in Deutschland

本文:

「世界に開かれた科学2015」報告書が公表され、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

2014年にドイツにおける外国人学生数が新記録を達成した。2014年度ドイツの大学には301,350人の外国人学生が在籍し、対前年度比19,000人(7%)の増加となった。連邦と州による、2020年までにドイツの大学における外国人学生数35万人という目標は既に達成されている。これはBMBFがドイツ学術交流会(DAAD)とドイツ大学科学研究センター(DZHW)が共同で発表した報告書「世界に開かれた科学2015」により明らかとなったものである。

ヴァンカ大臣は「ドイツの学生の9人に1人は外国人となっており、更に増加傾向である。これ以上に、ドイツの大学の国際的な魅力を証明するものはない。大学が今日こうした魅力を有するに至ったのは、ドイツの大きな投資が基になっている。連邦はその大学への支出を2005年以降ほぼ3倍としている」と語り、「世界的なモビリティは科学的、文化的な交流を進めるだけではなく、ドイツとしては優れた人材を獲得したい。イノベーション力を維持し、人口高齢化を克服するためにあらゆるところからの優秀な頭脳が必要である」と続けた。

ドイツはアメリカ、英国に次いで外国人学生が最も好む留学先となっている。マスター課程への流入が大きく、特に好まれているのは工学である。外国からのマスター学生数は2008年以降3倍以上となり、約67,000人となっている。その修了割合は91%と非常に高い。マスター学生の60%は卒業後一定の期間ドイツに留まることを計画している。

ヴィンターマンテルDAAD会長によると、「国際的な学生の移動についてもドイツは重要な役割を果たしている。今日ほど多くのドイツ人学生がその学生生活のなかで一時的に外国に滞在することは未だかつてなかった」と語り、「ドイツ人学生は留学先で異なった勉強方法そして異なったシステムを知り、それによって自身の勉強を違う視点からみることができる。科学は国際的な対話を糧とするものである」と続けた。

エラスムス・ゼメスター、インターン、あるいは言語習得のために短期間外国へ行くドイツ人学生の割合は2013年以降32%から37%へと増加している。国際比較でもドイツ人学生の外国留学は平均以上になっている。ドイツは2020年までに大学卒業生の2人に1人はその在学期間中に留学経験を積むようにする、という目標を設定している。

ドイツの大学の国際性は着実に向上しているものの、外国人学生の大学を巡る日常生活について十分なインテグレーションがあるかという点では、まだ問題がある。アンケート調査によると外国人学生の約半分しか大学外の社会生活によく馴染んでいない。特にドイツ人学生とのコンタクトは明らかに少ない。ドイツ語の習得はドイツ社会に溶け込むために決定的な役割を果たすもので、この点に大学側はより強く留意しなければならない。ヴァンカ大臣、ヴィンターマンテル会長ともその点を強調している。

[DW編集局]