2015年7月14日付の「中国科学報」ネット版は、「中国の『天河二号』は、演算性能で世界スパコンの五連覇を実現した」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

7月13日、「2015国際スーパーコンピューティング学術大会(International Supercomputing Conference 2015, ISC2015)」がドイツ·フランクフルトで開かれ、世界最高の性能を持つスーパー·コンピューターの「第45回TOP500リスト」が発表された。同会議で、中国の国防科学技術大学が開発したスパコン「天河二号」が33.86千兆回/秒の速度で「世界で最も速いコンピューター」に選ばれ、これは「天河二号」が2013年6月に登場してから、5回連続でTOP500の首位になっている。

TOP500のランキングは、世界の設置されているスパコンに対して権威あるランキング表で、TOP500国際組織がスパコンのLinpack(※)と呼ばれる実測の計算速度を基準としてランキング表を毎年二回発表している。

「天河二号」は国家863計画（国家ハイテク研究発展計画）の重大プロジェクトで、2013年11月、国家スパコン広州センターに設置され、国内外に向けてオープンした。今まで、「天河二号」は国内外の約400近くユーザに高性能計算及びクラウド·コンピューティング·サービスを提供し、ゲノム分析·シークエンシング、新薬整備、大型飛行機·高速列車の空気圧計算、自動車·船舶等の大型装備のデザイン·シミュレーション、電子政務及びスマート·シティ等の分野において広く使われている。

「天河二号」の応用分野の拡大に伴い、中国のスパコンは国家重要インフラとしての力強いサポート能力を示し、国家の科学技術·イノベーション及び経済·社会の発展に重要な役割を果たしている。

※ Linpackとは、米テネシー大学のJack J. Dongarra博士らが開発した、コンピューターの性能計測プログラムで、スーパー·コンピューターの性能比較プロジェクト「TOP500 Supercomputer Sites」の標準ベンチマークとして採用されている。

[JST北京事務所]