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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立研究機構(ANR)
- 元記事公開日:
- 2015/07/01
- 抄訳記事公開日:
- 2015/08/19
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超高速無線通信: “Com’Toniq”プロジェクトが世界で初めて実現
Communications sans fil à ultra-haut débit : le projet Com’Toniq réalise une première mondiale
- 本文:
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国立研究機構(ANR)の2015年7月1日付標記報道発表の概要は以下のとおり。
現在、無線通信に使用可能な周波数は飽和状態に達している。したがって新しく活用可能な伝送枠組みの構築が喫緊の課題となっている。現行の無線通信システムでは使用される電波の特性(ギガヘルツ帯域使用)そのものに能力の限界があり、より高周波のテラヘルツ領域での通信の実現が研究開発に求められる。
2015年6月9日、電子・マイクロエレクトロニクス・ナノテクノロジー研究所(IEMN)及びTektronics社は、QAM-16(直角位相振幅変調)符号化方式を用いた0.4テラヘルツでの無線データ伝送を世界で初めて実現した旨発表した。IEMNによれば、この実証試験は25メートルの距離を32Gbit/sで信号伝送を行ったもので、将来の第5世代(5G)ネットワークでのテラヘルツ通信の基盤をなすものである。
上記実証試験に関与する”Com’Toniq”(フォトニクスを基盤とする準光学的超高速通信)プロジェクトには、レーザー、テラヘルツ波発生用の光エレクトロニクス部品のほか、ディジタル伝送システムの各領域の専門家が結集している。一貫性のある無線伝送システムの実現を目標としており、周波数280GHzで56Gbps以上の能力を狙う。伝送距離はP2P型リンクで100m~1kmの範囲を目標とする。
“Com’Toniq”プロジェクトは、2013年の「ディジタル社会の物的及びソフトウェア・インフラ」(INFRA)プログラムの一環でANRから86.6万ユーロの支援を受けている。
[DW編集局+JSTパリ事務所]