[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2015/08/06
抄訳記事公開日:
2015/08/24

再生可能エネルギーの利用増により温室効果ガスの排出量が低減

Increased use of renewables results in growing GHG emission savings in the EU

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2015年8月6日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センター(JRC)が新たに発表した報告書『欧州連合における気候変動緩和のための再生可能エネルギー:再生可能エネルギーによる温室効果ガス排出量の削減(2009~2012年)(Renewable Energy in European Union for climate change mitigation: Greenhouse gas emission savings due to renewable energy (2009-12))』によると、電力部門、冷暖房部門および輸送部門における再生可能エネルギーの最終消費量の増加による温室効果ガス(GHG)の削減量は、2009年から2012年にかけての複合年間成長率8.8%の増加となり、再生可能エネルギーが気候変動の緩和に大きく寄与する可能性が確認されたという。総削減量の3分の2近くは、ドイツ、スウェーデン、フランス、イタリアおよびスペインにおける再生可能エネルギー開発によるものである。

この報告書は、再生可能エネルギーに関するEUの指令により、EU加盟国に2年ごとの提出が定められている再生可能エネルギーの利用に関するデータの評価結果が示されている。報告書では、この規定により再生可能エネルギー源は、GHG排出量の削減にすでに大きく貢献しているとしており、例えばGHGの総排出量が45億4,600万トンCO2相当に達した2012年に、EU域内で利用されたすべての再生可能エネルギーによって7億1,600万トンCO2相当の排出量が削減された、と見積もっている。また、2012年にEUにおいて気候変動の緩和に最も貢献したのは、風力・太陽光発電の普及により増加した再生可能エネルギー由来の電力(削減量の64%を占める)であり、再生可能エネルギーを利用した冷暖房(同31%)と輸送(同5%)がこれに続くと報告している。

報告書は、電力、冷暖房および輸送の3部門における再生可能エネルギーの利用によるEUでの温室効果ガス排出量削減の概要を提示している。評価は、再生可能エネルギー指令 2009/28/EC第22条(1)(k)によりEU加盟国に対して求められている進捗報告のうち、2011年および2013年の報告データをもとにしている。指令では、2020 年までにエネルギーの総最終消費量の 20%を再生可能エネルギーにすることが規定されている。

[JSTパリ事務所]