[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/07/21
抄訳記事公開日:
2015/08/26

中国人科学者、コロナウイルス·コード修正における分子メカニズムを解明

科学家阐明冠状病毒编码校正分子机制

本文:

2015年7月21日付の「中国科学報」ネット版は、「中国人科学者、コロナウイルス·コード修正における分子メカニズムを解明」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国科学院·上海生命科学院·生物化学·細胞生物学·国家タンパク質科学センター(上海)の饶子研究員と張栄光研究員が率いる研究チームはこのほど、新型MERS/SARSコロナウイルスの研究における重要な進展を遂げた。すなわち、初めてnsp14-nsp10複合体の組織·構造を掲示し、コロナウイルス·コード修正における分子メカニズムを解明した。関連研究成果が「米国科学アカデミー紀要」(1914年に創刊された米国科学アカデミー発行の機関誌)電子版に掲載された。

コロナウイルス属のゲノムはRNAウイルス中最大で、人に感染し得る。コロナウイルスの多くは消化器もしくは呼吸器系を侵し、さまざまな疾患を引き起こす。SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスのように重症化するものもある。

コロナウイルスの膨大なゲノムは構造蛋白、非構造蛋白、幾つかの補助蛋白をコードとする。科学者は、コロナウイルスの非構造蛋白の一つである14(nsp14)がウイルスの複製とウイルスの転写に重要であることを発見した。
非構造蛋白10(nsp10)はnsp14と結合できる活性化因子である。研究者は、研究を通じてnsp14、nsp10及び機能性リガンド結合時の結晶構造を取得し、初めてウイルスRNAにおけるnsp14-nsp10の複合体構造を掲示した。また、構造化データと機能分析により、nsp14の機能を一層解明し、その他、薬物開発において重要な分子標的を掲示して、今後のウイルス研究と抗ウイルス薬の開発等に重要な役割を果たしている。

[JST北京事務所]