[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/08/03
抄訳記事公開日:
2015/08/31

沿岸保護に関する研究

Forschung zum Schutz der Küsten

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は北海とバルト海の沿岸海研究のために新たな公募を行うこととなった。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。

ドイツの沿岸部は人口の多い地域であり、重要な生活・経済圏となっている。同時に沿岸には非常に外部環境に影響を受けやすい自然空間や生態系が存在している。そこでは人間に起因する影響が特に顕著である。今後、沿岸の利用には多くの投資がなされ、生態系への圧迫は更に強くなる。高潮や海面の変化等の異常気象による事象は沿岸地域に一層の重要課題を突き付けることとなる。

このためBMBFは北海とバルト海沿岸海研究に関して新しい公募を行うこととなった。貴重な自然空間を維持しながら、同時に人間とその経済空間を保護していくためには、沿岸保護と交通用水利工事に関して、どのようなコンセプトの下インフラを整備しなければならないかについて真剣に考えなければならない。沿岸海研究はBMBFの持続可能な発展に関する研究プログラムの一環である。

ヴァンカ大臣は「沿岸地域を効果的に保護していくためには、人間、経済、自然の利益とニーズを調和させることが重要である」と語った。

研究プロジェクトにおいては、最小限の資源利用と自然空間への干渉を低く抑えるという条件下で、如何にして沿岸を最もよく保護し、開発していくことができるのか、その知識を獲得していかなければならない。
例えば、今後異常気象による事象が増加し、多くの高潮が発生し、またより強力になるとして、こうした変化にどう対処していくのかについて情報を取り組み、利用していくことになる。

沿岸の堤防などの構造物は、今後数十年に起こる高潮、海流の変化、海面の上昇にも耐えうるように、建設しなければならない。人口密集地における海面上昇の影響を軽減するため氾濫原の面積をどの位の規模にしなければならないのか、その数は実際どのくらい必要なのか、例えばエネルギー転換及び船舶交通の増加等による沿岸の利用は今後どのように推移し、どのように沿岸生態系に影響するのか、等の複雑な問題に対処するために学際的な研究プロジェクトが必要となる。

工学、自然科学、社会科学等の研究者が連携してプロジェクトに参加すべきである。計画や政策決定等のために科学的基礎を置くプロジェクトに、所管省庁も活発に関与することが重要である。BMBFはこの公募に今後3年間に600万ユーロを投入する。

ドイツは海洋と沿岸の研究において先導的な役割を担っている。欧州の研究協力においてBMBFは海洋におけるマイクロ・プラスチックの影響に関する共同助成プログラムをスタートさせた。海洋投棄防止はドイツのイニシアチブにより10月にベルリンで行われるG7科学大臣会議の3中心テーマの1つとなった。

[DW編集局]