[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/08/12
抄訳記事公開日:
2015/09/08

都市生活の質は音という条件にも関係

Städtische Lebensqualität geht ins Ohr

本文:

連邦教育研究省(BMBF)の2015科学年のテーマである未来都市に関連してforsa(社会研究・統計分析GmbH)が行った調査によると、都市計画には音という条件を考慮すべきであるという結果になった。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。

都市計画において音の状況も考慮すべきである。forsaの調査によると、市民の50%以上がこのことを希望していることが明らかになった。市民にとって騒音の防止だけでなく、都市における心地よい音の環境が重要である。
BMBFは「都市の音」活動によってこのテーマに注意を喚起することにする。全国的に都市の素晴らしい音や、典型的な音、興味深い音あるいは不快な音をスマートフォン、タブレットPCなどのデバイスで録音し、デジタル・カルテwww.sadtklang2015.deに送るように呼びかける。

ヴァンカ大臣は「音は生活の快適さに大きな影響を及ぼしており、国民ひとりひとりが都市の音を共に形成できるようにすべきである。都市の音響計画は未来都市の大きなテーマである」と語り、「住みやすい都市は決して静かな都市ということではなく、様々な音も都市生活、社会、文化のシグナルである」と続けた。

これまで社会的な議論は多くの場合、騒音を対象にしている。forsaの調査でもドイツ人の多くは都市における騒音に晒されているとみている。これまでの調査では交通騒音がトップを占めており、回答者の34%、人口50万人以上の都市における回答者では実に46%が悩まされていると感じている。しかし日常においてもっと静かにしてほしいかという質問に対しては58%が不要と答えている。ある程度の音は受け入れられているか、あるいはそれを望んでいる状況である。

ドイツ人が心地よいと思う音に関しては、36%が鳥の鳴き声と答え、大都市においてはそれが43%にもなっている。自然の音は一般的に非常に好かれている。回答者の6%が、子供の笑い声、遊んでいるときの声が好きと答えており、また都市環境における音楽を多くの人が評価している。

音響研究者は公共空間の形成においては音源からの音の範囲を最初から考慮に入れるよう求めている。好ましい音響は都市の空間が市民の憩いの場として利用されるよう寄与することになるからである。意識して静かな憩いのゾーンとして計画されたものは耳の負担を軽減する。建材によっては音の響きを強くしたり、弱くしたりすることができる。樹は気候のためになるだけでなく、小鳥を引き寄せるものでもある。

forsaの調査は2015年7月時点における人口2万人以上の自治体における住民1,003人を対象とした。

[DW編集局]