[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/08/06
抄訳記事公開日:
2015/09/11

中国、「大型ハドロン衝突型加速器建設のロードマップ」を提出

中国提出超级对撞机建设路线图

本文:

2015年8月6日付の「中国科学報」ネット版は、「中国、『大型ハドロン衝突型加速器建設のロードマップ』を提出」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

8月4日、デューク昆山大学(Duke Kunshan University, DKU)*、上海交通大学が共催する「第7回中国及び世界のハドロン物理の発展チャンスに関する学術会議」は上海で開かれ、同会議で中国科学院·高エネルギー物理研究所、近代物理研究所等の研究者は「中国は高エネルギー物理、ハドロン物理の先端分野において世界をリードするために、今後、中国本土で高エネルギーの電子·陽電子環状衝突型加速器と電子·イオン衝突型加速器を建設する」と提案した。

ハドロンとは通常の自然界に存在する物質を構成する最も基本的な素粒子で、つまり身近な存在として「強い相互作用で結合した複合粒子」という意味である。今まで、核物理、高エネルギー物理学分野の物理学者は絶えず大型実験装置によってハドロン物理の研究を展開している。

中国科学院·高エネルギー物理研究所の提案では、「2028年に、Ecm~250GeVの電子·陽電子環状衝突型加速器(ヒッグス·ファクトリー)をまず建設し、2046年までに、Ecm~50TeVの陽子·陽子衝突型加速器にアップグレードすることによって技術的拡張可能性を確保する」とのこと。

中国科学院·高エネルギー物理研究所の瀋肖雁研究員は記者の取材に対して、「今年の年初、同プロジェクトの『電子·陽電子環状衝突型加速器』に関する初歩的な技術設計報告書が完成され、立地の選択業務が続々と江蘇省、河北省等で展開する予定」と語った。

その他、国家の重大な科学技術インフラ·プロジェクトの一つとして、蘭州·重イオン·加速器に基づき、2016年頃、高電流·重イオン·加速器の建設を計画通りに広東省·恵州市において建設に着手する予定。

※ デューク昆山大学は、米国デューク大学と中国武漢大学が共同で江蘇省昆山市に設置した大学である。

[JST北京事務所]