[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
研究・イノベーション総局
元記事公開日:
2015/08/25
抄訳記事公開日:
2015/09/25

世界秩序の変化に対するEUアプローチの青写真

A blueprint for an EU approach to a changing world order

本文:

欧州委員会は、8月25日付の標記記事において、激変する世界の政治状況において、欧州の政策決定者の意思決定支援を行うことを目的とした標題の研究プロジェクト紹介記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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EUとそのメンバー国は、新興の権力・視点に対して戦略的に対応するために難しい決断を迫られる。そして、政策決定者の決断は、欧州の経済の健全性や、世界における欧州の政治的および道徳的影響力に対し大きな影響を及ぼす。EUによりファンドされたGR:EENプロジェクトは、EUが、新たな内的および世界的な課題に対面した際にEUがその利益を守るためにとりうるアプローチを事前評価することで、欧州の政策意思決定者を支援する。プロジェクトの研究者たちは同時に、グローバルな規律や政治に対して影響力を行使するために、EUがその価値観や目的を先回りする形で強固なものにするための方法について検討した。

GR:EENプロジェクトによる助言は、安全保障や人権、貿易、金融、エネルギー、環境、グローバルガバナンスにおけるEUの役割(そしてその影響力や地域におけるリーダーシップ)に対する大規模な研究に基づいている。

「研究者たちは、EUのメンバー国は国際政策に対してより強固な合意を取りつけることを勧めている。EUは、これまでルールやアイデアの面で、世界への影響力の主体として成功したり失敗したりしてきている。たとえば、食糧安全保障や化学物質の規制においては、非常によい成果を挙げており、国際的なガバナンスに対しプラスの影響を及ぼしてきた。一方で、個別のメンバー国が自身の(しばしば矛盾する)政策イニシアチブを推進しようとした場合は、EUは脆弱になる。たとえば、アラブの春に対する欧州の対応や、エネルギー安全保障への各国の異なった政策などである。」とプロジェクトのコーディネーターであるBreslin氏は言う。

研究者たちはまた、政策決定者たちに、EUが舵取りを行うことになる国際的な文脈に対しより深く理解することを求めている。

プロジェクト詳細:
呼称:GREEN
参加国:英国(コーディネーター)、オランダ、ベルギー、デンマーク、カナダ、スペイン、イタリア、ノルウェー、米国、南アフリカ、アルゼンチン、シンガポール、中国、オーストラリア、日本
総コスト:10,158,762ユーロ (うちEU貢献分7,944,718ユーロ)
期間:2011年3月−2015年2月

[DW編集局]