2015年8月21日付の「中国科学報」ネット版は、「国家自然科学基金委員会(NSFC)、『2015年度·資金援助プロジェクトの進展』を発表」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

国家自然科学基金委員会（NSFC）が8月21日、北京で記者会見を開いて、国家自然科学基金委員会の楊衛主任、高瑞平副主任は2015年度·科学基金資金援助プロジェクトの評価·審査状況等について説明した。これは国家自然科学基金委員会の設立以来、初めて年度科学基金資金援助プロジェクトの実施状況について記者会見を開催した。その要点は以下の通りである。

一、全体実施状況：2015年に国家自然科学基金委員会が全国の委託機関から受理したプロジェクトの申請件数は167,887件である。そのうち、計37,606件が選定され、資金援助（直接経費）が183.45億元に達し、今年の資金援助プロジェクトの80.20%が配分された。

二、イノベーション型国家建設に必要なハイレベルな人材の育成：

1. 国家自然科学基金委員会は国家財政から投入される自然科学基金を運用して、自然科学の基礎研究とイノベーション研究を支援し、科学技術人材を発見·育成して、基礎研究チームの創生を推進する。

2.関連データによると、2015年、国家自然科学基金委員会の一般プロジェクトは合計16,709件が選定され、去年より1,709件増え、資金援助（直接経費）が102.41億元に達した。その他、重点プロジェクトとして624件を選定し、資金援助（直接経費）が17.86億元に達した。

三、協同イノベーションに向けて国際影響力の向上：

1. 国家自然科学基金委員会は関連部門、地方政府、企業等と緊密な協力を強化し、基礎研究の戦略的ネットワークを積極的に構築する。

2. 国家自然科学基金委員会は遼寧省、浙江省、貴州省、山西省と「共同資金援助に関する協議」を調印し、地域におけるイノベーション能力を向上することを支援する。

3. 国家自然科学基金委員会は中央機関、地方政府及び企業、業界団体等と22件の資金援助プロジェクトを選定し、2015年の直接経費が10.67億元に達する見込みである。

4. 国家自然科学基金委員会はこれまで39の国家·地域から78の海外科学基金組織、科学研究の支援機構と協力協議書、覚書を締結し、重点国際（地域）の資金援助·協力プロジェクトとして計105件が選定され、直接経費が2.52億元に達した。

四、新常態（ニューノーマル）における科学基金申請·資金援助の特徴：

1.プロジェクト管理における情報化を一層進めていく。

2.資金援助の方面では、国家自然科学基金委員会の新たな措置として、プロジェクト経費の申請では初めて直接経費（具体的な研究開発経費）と間接経費（研究遂行に関連して間接的に必要とする経費）から構成される。

3.今年は、人材計画への資金援助を一層強化する。

4. 国家自然科学基金委員会による資金援助を受けた科学者とプロジェクトリーダーは若年化傾向になっている。　5.評価·審査制度は引き続き改善していく。

[JST北京事務所]