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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/09/02
- 抄訳記事公開日:
- 2015/09/28
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若い研究者により有利な条件を
- 本文:
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ドイツ連邦政府は任期付研究員契約に関する法律の改正を決定。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
連邦政府はドイツにおける若手研究者の雇用条件を改善する。任期付研究員契約改正法案を閣議決定し、アカデミアの不適切な短期雇用制限を将来廃止することにした。
ヴァンカ大臣は「この10年でアカデミアには多くの新しいポストが生まれた。高等教育協定、エクセレンス・イニシアチブ、研究・イノベーション協定等による連邦政府の著しい財政的な努力によるところ大であった。しかし、若手研究の半数以上が最初に1年未満の任期で採用されていることに関しては全く正当性がない。こうした不適切な現状に対し、改革をもって対抗するものである。但し、アカデミアに必要な柔軟性と活力を阻害することは適切ではない。若手研究者のため、より計画し易く信頼できる環境を創っていく」と語った。
法案によれば、将来的には雇用期間の限定は博士号の修得期間に見合ったものでなければならなくなる。第三者資金に起因する期間限定の契約は資金の認可期間に応じたものとされる見込み。具体的根拠のない任期制限は、科学的あるいは芸術的な資格取得の目的である場合の雇用にのみ認められる。これにより、科学的あるいは芸術的な資格取得目的以外の任期付研究員による長期課題の取り組みは禁止される。
この閣議決定は、2013年の連立協定による取り決めを実施したもの。任期付研究員契約法改正は若手研究者のための諸条件の改善に必要な大学や研究機関の活動を促すものである。アカデミアにおけるキャリアの将来像に関するイニシアチブについては現在BMBFと州で交渉中である。
連邦政府は同時に、ドイツにおける若手研究者と大学生の状況をより正確に統計的に把握することを決定した。近年の大学全体像における変化をより正確に映し出す方向に大学統計法を適応させていくべきであるとした。同法は大学が州統計局にどのようなデータを提出するかを規定する。データは大学政策や大学計画に関する重要な決定基盤となるものであり、統計データを提出して欧州に対する責務を果たすものでもある。
改正法により初めて博士課程在籍者統計が導入されることになる。ドイツにおける博士課程在籍者のデータ状況はこれまで不十分であり、新しい統計は大学要員統計の拡大と共に若手研究者の状況を改善するための政治的決定の基盤となるものである。同時に科学政策にとって重要なのはバチェラーからマスターへの進学や、学位取得と中途退学に関するデータの収集が改善されることである。経過を遡れる統計の導入によって将来、大学での学習の経過、専門や大学の変更、博士号修得段階等の情報を初めて得られることになる。 [DW編集局]