[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2015/08/11
抄訳記事公開日:
2015/09/30

PCASTが連邦政府の情報技術研究開発を評価

PCAST Assesses Federal Information Technology R&D

本文:

2015年8月11日付のホワイトハウスによる標記発表では、大統領科学技術諮問会議(PCAST)が同日発表した大統領及び議会に対する報告書「連邦政府資金による情報技術研究開発の主導力確保」(Ensuring Leadership in Federally Funded Research and Development in Information Technology)の概要を以下のように報じている。

情報技術(IT)は現代世界を牽引する。車、台所用器具、製造現場の装置、子供のおもちゃ等、ほとんど全てのデバイスにおいてITによる強化が図られている。ITは、科学研究、宇宙・地球探査、教育・学習、医療、消費者による売買、十分な情報を得た上での政策決定、国家安全保障、輸送、先進製造、環境保護の能力を向上させる。ITによって可能になった進歩は、長年の官民投資によって形成された強力な研究開発基盤の上に成り立っている。このほど発表された報告書は議会の要請によるもので、連邦政府のファンディングによる国の研究開発を統括する「連邦政府ネットワーク・情報技術研究開発(NITRD)」プログラムの評価を行ったものである。2013年の前回評価の内容を更新し、新たな提言を行っている。

本報告書でPCASTは8つの研究開発領域に焦点を当てており、サイバーセキュリティ、ITと医療、ビッグデータとデータ集約型コンピューティング、ITと物質界、プライバシー保護、サイバー・人間システム、高性能コンピューティング、および基礎的コンピューティング研究である。これらはすべて国の優先目標の達成に有用な領域である。

本報告書ではIT要員として加わる人材の教育・訓練を連邦政府が主導するよう提言している。多様な若者をIT職に引き付けて雇用する健全で拡張性のある育成コースを確立するには、いくつかの段階を踏む必要がある。ITの生涯学習・教育を可能にする教育プログラムの設計にもリーダーシップが必要である。

本報告書はIT研究開発に対する連邦政府の投資を引き続き効果的に統括するよう提言している。プログラム・コンポーネント・エリア(PCA)として知られるIT研究開発支出の一連のカテゴリーを見直す時機が来ている。1995年来このようなPCAの多くは、これまで変更されたことがない。本報告では2017年度から8つのPCAを新設するよう提案しており、IT分野の最新の優先課題との調整が可能なように5~6年ごとにPCAを更新するよう提言している。

ITは過去25年間で明らかに進化した。新しいテーマが出現する一方で重要度が低下したテーマもあり、NITRDの組織もそれに合わせて進化する必要がある。調整組織の再編に資するべく、従来PCAに属していたグループ(Groups)は、複数省庁に重点を置くグループに変更するようPCASTは提言する。寿命が長いグループもあるが、中には6ヶ月か1年の短期で立ち上げ・終了すべきグループもあり、変化に対して柔軟に対応する必要がある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]