[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/09/07
抄訳記事公開日:
2015/09/30

海洋マイクロプラスチック汚染に関する研究

Forschung über Mikroplastik in den Ozeanen kann beginnen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は欧州レベルの研究プログラム「海洋環境におけるマイクロプラスチック」を提唱し、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

海洋生態系のごみによる汚染が進行している。この重要課題に立ち向かうべく、BMBFは欧州レベルの研究プログラム「海洋環境におけるマイクロプラスチック」を提唱し、参加10か国(ベルギー、フランス、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スエーデン、スペイン、ドイツ)の研究者に2月以降このプログラムに参加するよう呼びかけた。国際的な研究アライアンスから合計21の申請書が提出されており、このほどその内4件が国際的な専門審査委員会により助成対象として提案された。

ヴァンカ大臣は「プラスチックが海洋でどのように拡散しているのか、また海洋環境そして最終的には人間にどう影響してくるのかに関する統一的な測定方法の確立そして更なる洞察が必要である」と語り、「ドイツは4研究アライアンスの内2つをコーディネートすることとなり、これによって深刻化する海洋汚染に関する研究の先導的役割を担うことになる」と続けた。

欧州の共同研究イニシアチブ“Healthy and Productive Seas and Oceans”(JPI OCEANS)の枠組みの中で行われる公募の合計助成額は2018年までで700万ユーロ強となる。

ドイツがコーディネートするのは選考された2つの研究アライアンスで、緊急に必要とされるマイクロプラスチックの分析及び測定方法に関する統一的標準に関する作業をアルフレド・ヴェーゲナー研究所ヘルムホルツ極地海洋研究センターが統括し、ヘルムホルツ環境研究センターがプラスチック廃棄物の分散経路、分解及び有毒性等に関する研究を統括する。その他の海洋生物及び生態系に対するマイクロプラスチックの環境毒性学的影響に関するテーマについてはスペインとノルウェーが主導する。4件の研究アライアンスで合計51の欧州の研究所が関与し、2015年末に作業を開始する予定である。

海洋におけるごみ、特にプラスチック廃棄物の海洋や沿岸における生物と生態系、そして人間の健康に対する危険性については、今年6月のG7サミットの最終声明においてグローバルな重要課題として確認されている。海洋保護とその為の国際的研究の必要性は10月にベルリンで開催されるG7 科学大臣会議の議題となっている。

[DW編集局]