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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2015/07/09
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/08
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ファクトシート:サイバー・セキュリティーの取り組み2015
- 本文:
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2015年7月9日付の大統領広報室によるサイバー・セキュリティー(CS)に関する発表記事の概要は以下の通りである。
大統領はCSが米国にとって最も重要な課題の一つで有る事を明確にし、政府は国内外でサイバー(C)防衛の向上、対応能力の強化、インシデント管理ツールのアップグレードなど種々の政策を実施してきた。本ファクトシートでは過去6ヶ月における成果の例を紹介する。CSは長期に渡りあらゆる局面のリスク管理が必要となるため、政府はこれらの取り組みを一過性とせず今後も継続させてゆく。
1.民間セクターによるCS改善の取り組みを支援
CSと消費者保護に関するホワイトハウス・サミットを開催し、経済・教育・法執行など多様な分野からの参加に加え、20以上の企業も当該分野へのコミットメントを表明。
CS情報および成功事例の共有と分析を促進。
大統領は1月に情報シェアとデータ侵害に関する規定を含む新しいCS法案を議会に提案。
CSに対する相互理解や強化の為に官民協力を推進。
商務省がCS強化の為ハードとソフトにおける2つのイニシアチブを創設。
商務省がオンライン取引のセキュリテイ向上の為、C空間での信頼のおける識別の国家戦略(National Strategy for Trusted Identities in Cyberspace, NSTIC)を実行。2.連邦政府のCSの向上
連邦ネットワークにおけるセキュリティー強化の取り組みの加速:連邦最高情報責任者(FCIO)は6月に「30日間CSスプリント」運動を実施し多元的認証の導入や国土安全保障省(DHS)による脆弱なシステムの特定と修復を促進。
FCIOの主導で政府全体のCS重視策の強化:専従のCチームE-Gov Cyberを創設して政府全般のCS計画を監督。
安全な技術の採用:政府は各省庁のネットワークの安全確保を支援する新しい戦略と政策を発表。政府調達におけるCS防御能強化のための「連邦政府CS民間戦略」とガイダンスを含む。
新しい能力の展開:DHSは2つのイニシアチブ、即ち連続的診断・軽減(CDM)プログラムのフェーズ2への移行と、EINSTEIN 3A侵入防御システムの展開を加速。
経歴・身元調査方法に関する省庁間横断的な取り組み:連邦政府は現在の取り組みを見直し、セキュリティー検査方法等の抜本的な改革を検討。
非機密扱いの情報の保護強化:NISTは特別出版第800-171号で非機密扱いの情報の保護に関する推奨される対応方法を提示。今後の政府省庁の調達契約等において適用。
労働力育成強化:国家イニシアチブ(NICE)は増大するCS需要に必要な労働力を確保するために教育、訓練、労働力の育成に注力。
行政管理予算局(OMB)は政府全体のCS専門家の不足を認識し多くのCS専門家を獲得するために利用可能な特別採用機関を定めて「連邦政府C労働力確保運動」を主導。
大統領がHERO法に署名。本法は退役軍人にDHSのオンラインCS作業者訓練プログラムへの参加権を与えて国家のためにC犯罪と闘う機会を与えるもの。3.悪意を持ったC攻撃者の特定、攻撃に対する防御及び反撃のための新規政策立案及び能力獲得
政府内での現状把握の強化:2月にC脅威情報統合センター(CTIIC)を創設。
国防の強化:国防長官は「国防省サイバー戦略」を公表し、米軍のC部隊を育成し米国のC抑止力を強化する。
C脅威に対応する新ツール:大統領命令第13694号により米国に脅威となる悪意を持ったC攻撃を行った個人及び事業体に経済制裁を加える権限を財務長官に与えた。
法の執行:昨年法務省は世界の当局の協力を得て前例の無い規模でインターネット犯罪の摘発や、数十万台に及ぶ乗っ取られたコンピューターを犯罪者から解放し、悪名高いC犯罪者12名を米国にて法の裁きを受けられる様にした。
新規C犯罪取り締まり法案:大統領は法施行ツールの近代化を含むC犯罪を取り締まる新しいCS法案を議会に提案した。4.国際的な取り組みの強化
国際パートナーとの協力関係の強化:大統領はC事件に関する米国の国際リーダーシップの強化に努め、ブラジル、湾岸協力会議諸国、インド、日本及び英国の首脳との戦略的CS問題についての協力関係を深めた。
地方及び多国間での参加の強化:国際C安定性の強化を目的とした地方及び国際的なコミットメントを獲得。G7首脳会議ではエネルギー分野におけるCS強化の取り組みに対して新しい協力関係の構築に合意。
北大西洋条約機構(NATO)のC防衛能力の強化:国防総省はC演習への参加を増やし、新イニシアチブを通して、NATO並びに諸同盟国が新たに出現するCSの課題に備えるのを支援する。
国際的な警察組織の協力関係を育成:連邦捜査局は海外での法務担当大使館員を増員して各国との情報の共有、捜査協力及び関係改善の強化に努めている。
C能力構築イニシアチブの拡張:DODはCSインシデント対応チーム(CSIRT)育成プロジェクトや、中央アフリカ諸国のCS及びC犯罪研修などを含めた拡張されたC能力構築イニシアチブに資金拠出して国際的な対応力の育成を図る。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]