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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 科学技術振興機構(JST)北京事務所
- 元記事公開日:
- 2015/10/05
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/13
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中医科学院屠呦呦(トジュジュ)主席研究員はノーベル生理学・医学賞受賞
- 本文:
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10月5日,スウェーデンのカロリンスカ研究所は,2015年のノーベル生理学・医学賞を日本学者である大村智氏,アイルランド医学研究者であるウィリアム・キャンベル氏,中国薬学家である屠呦呦氏に贈ると発表した。
屠氏はマラリアの画期的な治療薬を開発したことで、ノーベル生理学・学賞を受賞し、中国籍の研究者として、初めて自然科学系のノーベル賞を受賞した。
屠氏は1930年12月30日生まれ、1955年に北京医学院(現在、北京大学医学部)を卒業し、現在、中国中医科学院の終身研究員、首席研究員、アーテミシニン(artemisinn)研究開発センター主任を努めている。
マラリア治療薬の開発には、ベトナム戦争で双方の兵士は数多くのマラリアにかかった背景があった。1960―1970年代、屠氏がいた研究チームはまず漢方の古典を調査し、中国各地の有名漢方医を訪ね、伝統的な漢方の調剤法を調べた。1971年までに、屠氏の研究チームは大変と長期的な努力を経て、薬草から大量の有効成分を抽出し、実験の繰り返しのなかで、青蒿(Sweet Wormwood Herb)の治療効果が確認された。それから、青蒿抽出物はマラリア原虫抑制率が100%達し、その後全国の研究チームとともに大量の臨床研究を通じて抗マラリア薬の新薬アルテミシニンを誕生させ、1972年にアーテミシニンと名付けた。数十年の開発研究を経て、屠氏はマラリアの治療に用いる抗マラリア薬であるアーテミシニンを発見し、世界中に特に発展途国の数百万人の命を救い、2011年9月、ラスカー臨床医学研究賞を獲得した。
※ アーテミシニン(artemisinin:青蒿素)は青蒿(Sweet Wormwood Herb)からの抽出成分である。中国の古典的記述には、少なくとも紀元前2世紀からの抗マラリア薬としての利用が認められている。16世紀の薬方によれば、むしろ煎じて飲むよりは水に浸けた生の葉の絞り汁として効果を得ていたようである。これは、現在では水にも油にも溶けにくいとわかっているアーテミシニンを、当時無菌的に処方する方法として道理に適っていたを得ていたと評価される。そして、アーテミシニンとその誘導体は、1970年代から中国を中心に、世界中の流行地でマラリア治療薬として使われはじめた。
[DW編集局]