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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 下院科学・宇宙・技術委員会
- 元記事公開日:
- 2015/07/29
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/21
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NSFによる「国益」にかなう科学研究の為の超党派法案
Smith Introduces Bipartisan Bill to Ensure NSF Research Advances ‘National Interest’
- 本文:
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2015年7月29日付の下院科学・宇宙・技術委員会による科学研究と国益に関する報道発表の概要は以下の通りである。
下院科学・宇宙・技術委員会は、国立科学財団(NSF)が納税者に対して税金の使われ方について説明責任を負う事を明確にするための超党派法案「国益にかなう科学研究」を提出した。この法案は全てのNSFの助成金の決定を公表するにあたり、対象となるプロジェクトの科学的メリット及びそれがどの様に国益にかなうかを、技術的専門用語を使わない平易な文章で説明した資料を添付する事を義務付けている。この文書での正当性の表明は、当該プロジェクトが科学的メリットを基にして納税者の支持を得るにふさわしいものであり、国益にかなうとしたNSFの決定を肯定しようとするものである。
その背景として、納税者からの税金の乱用を防止しながら、米国が基礎研究及び技術イノベーションの世界市場においてトップを維持し続けることができるようにファンデイングの優先順を確立する必要がある。不幸にも過去において、NSFは、本来なら国益にかなうプロジェクトに提供すべき資金を、あまりにも数多くの疑問を抱かせる研究に対して提供して来た。例えば、ナショナル・ジオグラフィックの動物写真の研究に22万ドル、西暦1600年〜1700年のペルーの裁判の研究に5万ドルなどである。連邦省庁は納税者に対して、何故貴重な資金が他のよりふさわしいと思われるプロジェクトでは無く、このような研究に提供されるのかを説明する義務がある。
NSFは透明性と説明責任の強化の必要性を自覚し、研究プロジェクトを判り易く且つ技術的専門用語を使用しないで平易な文章で説明する政策を実行中である。今後NSFスタッフと外部研究者はプロジェクトの要約書を作成し、各プロジェクトが如何に知的メリット基準に合格し、NSFのミッションに合致し、且つ国益にかなうかを説明する事になる。上記法案はこのコミットメントを恒久的なものとする。
法案は今春2015年America COMPETES 再授権法案の一部として下院を通過した条項とほぼ同一であり、NSFが提案書におけるメリットとその影響の大きさについて評価を終えた後に、NSFによる文書での正当性の表明を求めている。法案には「本項のいかなる内容も、資金提供申請を評価するにあたり、財団の知的メリット、あるいは影響の範囲に関する基準の変更を求めていると解釈されるものではない」と明記されている。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]