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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2015/09/02
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/22
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中国人科学者、新しい方法で双子のブラックホールを発見
- 本文:
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2015年9月2日付の「中国科学報」ネット版は、「中国人科学者、新しい方法で双子のブラックホールを発見」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
中国科学院·国家天文台の陸由俊、閻昌碩研究員、アメリカ·オクラホマ大学の戴新宇氏、北京大学の于清娟氏から編成されている研究チームはこのほど、地球から最も近い位置にあるクエーサー(Quasar※)Markarian231に隠れている超大質量双子のブラックホールを発見した。今回、同研究チームは初めて連続スペクトルの特徴的方法により双子のブラックホールを確実な証拠をもって発見し、人類が宇宙に更に多くの双子のブラックホールを発見·確認するという新たな方向性を提示した。これは、宇宙の歴史と銀河の形成·進化及び重力波、基本的な引力説の一層の研究に対して重要な意義を持っている。
ブラックホールは極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない宇宙に存在する奇異な天体である。ブラックホールはその特性上、直接的な観測を行うことは困難である。しかし、他の天体との相互作用を介して間接的な観測が行われている。科学者のブラックホールの研究は人類にとって茫々たる宇宙探求の重要な部分である。
研究チームはクエーサーMarkarian231の連続スペクトルの解析結果に基づき、Markarian231の中心部にブラックホールが存在するだけでなく、お互いに軌道運動する二つのブラックホールも存在することを発見した。
中国科学院·国家天文台の陸由俊研究員は、「我々の新たな発見は現在の双子のブラックホールの研究·探求の方法を変えるかもしれない。クエーサースペクトルを用いて更に多くの双子のブラックホールを発見する可能性があって、双子のブラックホールと環境の相互作用の物理過程及び双子の巨大ブラックホールの重力波探査等の多様な天体現象の研究に重要な役割を果たしている」と語った。
※クエーサー(Quasar)は、非常に離れた距離に存在し極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体のことである。
[JST北京事務所]