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- 国・地域名:
- オランダ
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- オランダ科学研究機構(NWO)
- 元記事公開日:
- 2015/09/21
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/27
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研究資金の獲得にジェンダーが与える影響
- 本文:
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オランダ科学研究機構(NWO)の2015年9月21日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===心理学研究者のRomy van der Lee博士(ライデン大学)とNaomi Ellemers教授(9月からユトレヒト大学に在籍)が行った、研究資金獲得における性別の違いに関する調査の結果、男性に比べて女性の研究資金獲得率が少ないことがわかった。調査は、オランダ科学研究機構(NWO)でも重要な「人材開発プログラム」であるVeni助成金を対象に実施され、資金の獲得に違いが生じている理由についても検討されている。調査結果は、このほど米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。
2人の研究者は、NWOにおける研究資金提供の手順およびジェンダーの多様性に関するポリシーを幅広く評価する作業の一環として、研究資金を申請した男性と女性に対する資金提供率の違いおよびその理由を解明することを目的に今回の調査実施を任命された。
Van der Lee博士とEllemers教授は、男性研究者と女性研究者が提出した3年間にわたるすべての申請書を調査した。総申請数は2,823件で、NWOの指示に従い男女混成の科学委員会によって評価されている。その結果、女性の申請者に対する研究資金の支給率(14.9%)は、男性の申請者への支給率(17.7%)よりも低いことが明らかになった。
この調査結果を受け、NWOは今後、審査方法やその手順において、審査員の性差意識にしっかりと注意を払っていくとしている。
[JSTパリ事務所]