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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2015/09/05
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/27
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中国のナノテクの発展状況について
- 本文:
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2015年9月5日付の「中国科学報」ネット版は、「中国のナノテクの発展状況について」報じた。本記事ではその概要をまとめる。
「2015年中国国際ナノ科学技術会議」が9月4日に北京で開催された。専門家は同会議でナノテク(nanotechnology)を巡る産業競争上の優位性を確保するために、中国企業が積極的にナノテクの研究開発に参加するよう呼びかけた。
ナノテクは、物質をナノメートルの領域すなわち原子や分子のスケールにおいて、自在に制御する技術のことである。ナノテクは非常に範囲が広く、現在最も活発な科学技術研究分野の一つとなっている。今年、世界のナノ産業規模は5兆ドルに達する見込みである。
中国科学院(CAS)の白春礼院長は、「中国が20世紀80年代からナノ科学の基礎研究と応用研究を展開し始め、今までに発表したナノ科学技術論文数及び特許件数等の指標が世界トップの水準に達する」と指摘した。
中国国務院が2006年に「国家中長期科学技術発展規画要綱(2006-2020年)」を公表し、ナノテク分野が重点分野として選定された。2014年年末までに、ナノテク分野のプロジェクト計141プロジェクトが科学技術部(MOST)による重大科学技術研究計画の資金援助を受けた。その主な分野がナノ材料、ナノ構造の特性·測定、ナノバイオと医学、ナノ部品、ナノエネルギー、ナノ環境、ナノ触媒等が含まれている。
北京大学·ナノ科学技術研究センターの劉忠範主任は、「関連統計データによると、現在までに、中国のナノテク分野の研究に投じられた経費は総額で10億ドルを超え、世界でもトップレベルである。中国のナノテク分野の経費は巨額となっているが、その投入は分散されている。つまり、個別のプロジェクトを見ると、十分な経費が投入されていない。アメリカ、日本等と比べて、中国企業によるナノテク分野の研究開発に投入した経費総額は少なく、中国の技術発展及び成果転化に対して不利である」と語った。
[JST北京事務所]