[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2015/09/14
抄訳記事公開日:
2015/10/29

海洋調査、恵まれたデータ源としての海洋哺乳動物

Etude des océans, les mammifères marins source privilégiée de données

本文:

国立研究機構(ANR)の2015年9月14日付けの標記報道発表の概要は以下のとおり。

気候変動が海洋に及ぼす影響の調査は、地球上の一部地域の現地データの不足により、今なお限定されている。従来の水圏学的なデータは、海洋観測船または「アルゴ」フロートが自動収集したデータを活用して得られたものである。しかし浮氷が存在するなど局地的環境を考慮せねばならない多数の地域に関しては、現実にデータが欠如している。この欠陥を補うのに、海中に潜る海洋動物は海洋観測システムの重要な構成要素となった。海洋哺乳動物の中には、食糧を求めて数千キロを回遊したり、常時深海深く潜行しているものがいる。それらにセンサーをつけることで、それらの食糧探しの行動を直接観察することができ、遠隔の極地地域に特有の海洋学的データを収集することができる。

6月1日以降、国際ポータル”MEOP”(極から極まで海を調査する海洋哺乳類)では、上記で収集したデータを科学界の利用の為に提供している。MEOPコンソーシアムは、2008~2009年の国際極地年の間に初めて形成され、10カ国(南アフリカ、ドイツ、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、米国、フランス、英国、ノルウェー)が参加している。その目的は、センサーの配備、海洋学的データの品質処理、データの提供を国際的規模で統括することである。配備された763箇所の浮標で収集した32万件の海洋学的データは、再編成されてポータルを通して国際コミュニティの自由な利用に供されている。

MEOPのフランスの分担部分は、観測システム「海洋環境の試料採取用哺乳動物」(SO-MEMO)である。SO-MEMOの業務はANRの支援(2008年、2010年、2011年など)を何度も受けており、ポータル”MEOP”を通じて利用可能なデータを提供している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]