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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2015/09/19
- 抄訳記事公開日:
- 2015/10/30
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中国人研究者が初めてウイルス内部の三次元構造を解明
- 本文:
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2015年9月19日付の「中国科学報」ネット版は、「中国人研究者2名(湖南師範大学物理情報科学学院、清華大学生命科学学院)が、初めてウイルス内部の三次元構造を解明」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
湖南師範大学·物理情報科学学院の劉紅栄教授、清華大学生命科学学院の程凌鵬副研究員はこのほど、初めてウイルス·キャプシド(※1Virus capsid)からウイルス内部までの観察を行った。本成果は、ウイルス内部の三次元構造を解明し、人類が更に多くの分子生物の内部構造を認識するために重要な役割を果たしている。
劉紅栄教授、程凌鵬副研究員はウイルス三次元再構築分野での10年余りの共同研究を経て、このほど二次元電子顕微鏡の映像の解析に基づきミスマッチ(mismatch)生体高分子の三次元構造の対称により初めて昆虫のウイルスの二本鎖RNAゲノム及びRNAポリメセーゼ(RNA polymerase※2)の三次元構造を明らかにし、同ウイルスの内部に多層球形構造を有することを発見した。
劉紅栄教授は、「同研究成果により、初めてキャプシド内のゲノム及びタンパク質の三次元構造を解明し、人類のウイルス研究を再認識し、加速することが可能になる。今後、我々は、研究成果を他の分野に展開し、特に生体高分子動態の三次元構造の研究に取り組むことを目的としている」と表明した。
※1 キャプシドは、ウイルスの核酸を包み込む殻を構成するたんぱく質である。
※2 RNAポリメセーゼ(RNA polymerase)は、リボヌクレオチドを重合させてRNAを合成する酸素である。 [JST北京事務所]