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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防高等研究計画局(DARPA)
- 元記事公開日:
- 2015/08/17
- 抄訳記事公開日:
- 2015/11/09
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省電力高効率で手頃な設計者用電子回路の開発
CRAFT Program Aims for Affordable Designer Circuits that Do More with Less Power
- 本文:
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2015年8月17日付の国防高等研究計画局(DARPA)による手頃で効率的な集積回路(IC)の製造に関する発表記事の概要は次の通りである。
軍用電子機器向けの特殊ICに対する需要はうなぎ上りである。無人機の行動を同期させるシステム、生のレーダーデータをリアルタイムで戦術的に使いやすい3次元映像に変換するもの、そして戦場における高解像度センサーフィードへの瞬時アクセスなどはその実例である。国家の安全保障に対するこれらの能力の重要性にも関わらず、現在の回路設計方式ではしばしば、小型機の飛行プラットフォームあるいは既に過剰な電池重量負荷を抱えている戦闘機において、実際には供給できないような電力を必要とするような機器が生まれている。
それはエンジニアが最適の電力で特定の作業を実行するカスタムICを設計出来ないのでは無く、この様な設計を完了するまでに最大で1億ドルの支出と2年以上の期間を要するという見通しが障害となっている。結果として、国防総省のエンジニアはより一般的で安価で直ぐに入手可能な汎用回路を採用し、これらの回路に要求された特殊作業させる為に、ソフトウエアに大きく依存している。汎用回路を使用すると、設計と実装を迅速化できるが、一方で電子システムに不必要な電力負荷を課している。
このジレンマによってカスタムICの採用が減少し、それに伴い国防総省のシステムの性能が低下している。そこでDARPAは技術団体に対してこの問題を解決するための研究提案を募った。
3段階からなる「より迅速な時間軸での回路の実現(Circuit Realization At Faster Timescales、CRAFT)」プログラムは3年間で総額3,000万ドルの資金が確保されている。CRAFTプログラムは新しい迅速回路設計法、複数のIC製造供給源、そして実証済みの解決法の再利用を円滑に進めるための技術リポジトリの展開を追求する。
CRAFTのビジョンの中心は、汎用回路の製造に使用される16 nm/14 nmの商業用の製造インフラを活用して、カスタマイズされた技術特異的な回路を製造する前例のない能力を獲得する事にある。
目標達成のためにCRAFTが追求するものは、
・カスタマイズされたICに関わるデザインサイクルを1/10の期間に短縮する(年単位を月単位にする)
・次世代製造設備が利用可能となった場合に直ぐにやり直す事を可能にする設計枠を考案する
・デザイン並びに製造サイクルが変わる度に手法、文書化、そして知的財産を一からやり直す必要が無い様にリポジトリを創設する [DW編集局+JSTワシントン事務所]