[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
共同研究センター(JRC)
元記事公開日:
2015/10/12
抄訳記事公開日:
2015/11/11

貴重な電力源となるアフリカの一般廃棄物

Africa’s urban waste, a valuable source of electricity

本文:

欧州委員会共同研究センター(JRC)の2015年10月12日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州委員会共同研究センター(JRC)は、「アフリカ都市部から発生する一般廃棄物のエネルギーとしての可能性の評価(Evaluation of energy potential of Municipal Solid Waste from African urban areas)」と題した調査に関する論文を発表した。共著で発表したこの論文によると、アフリカで発生するすべての廃棄物を利用して電力を生産した場合、その推定量は2025年には122.2 TWhに達するという。これは、2010年にアフリカ大陸で消費された電力(661.5 TWh)の20%超に相当する。この論文では、アフリカの電力需要に対して一般固形廃棄物が持つ可能性が分析された。

122.2 TWhという電力量は、2025年にアフリカの家庭4,000万世帯に必要となるエネルギー量に等しいが、現在の廃棄物管理は貧弱であり、2025年の時点で実際に回収される廃棄物から生産可能と思われる電力量は、83.3 TWhと見積もられている。2010年のアフリカにおける平均電力消費量から推定すると、この値は、2015年に2,700万世帯が必要とするエネルギー量に相当するという。

今回の調査では、アフリカの各国で廃棄物の焼却およびランドフィル・ガス(埋立地ガス、LFG)から得られる可能性のあるエネルギー総量が予測されている。

2010年の時点で、世界には600を超える廃棄物発電施設があるが、その大半は欧州(472カ所)、日本(100カ所)および米国(86カ所)にあり、アフリカでは、回収・再利用される廃棄物の量はごく限られており、廃棄物管理システムが備わっているのも、大都市や首都のみであるという。

[JSTパリ事務所]