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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2015/10/09
- 抄訳記事公開日:
- 2015/11/12
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G7科学技術大臣会合
- 本文:
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G7科学技術大臣は保健・環境研究における共同のプログラムを決定、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
G7科学技術大臣はベルリンにおける会合(10月)において貧困に起因する感染症、海洋保護、クリーン・エネルギーに関する公的な研究助成について総合的に調整し、強化することを決定した。また高度な品質基準に基づく、世界的に重要な研究インフラを相互に開放することについて初めてコンセンサスを得た。
ヴァンカ大臣は「今夏のエルマウサミット決議の実行に踏み出した。科学と研究を共同で推進し、海洋の保護を前進させ、貧しい国々における多くの人々の健康状態を改善するよう支援していく」と語った。
G7科学技術大臣はこれまで放置されてきた、貧困に起因する感染症に対する研究努力を強化することで一致を見た。これは主に貧しい熱帯の諸国における25以上の感染症を包括するもので、マラリア、HIV、結核、更には下痢、睡眠病、デング熱が含まれる。世界では約15億人がこうした疾病に罹患している。
また第一歩として、研究の隙間を確認することが取り決められた。第二のステップとして共同の研究イニシアチブがそれに続くことになる。これに関しては来年の会議で具体化し、決定が下される。ドイツはこの会議のホスト国を務める用意があることを表明した。
ヴァンカ大臣はまた、特定の医薬品の開発を助成する製品開発パートナーシップを今後5年間に更に5,000万ユーロを投資して支援することを表明した。海洋の保護というテーマについて、全G7大臣がこれを特に緊急の問題として言及した。G7大臣は海洋におけるプラスチックごみの急増に対処する共同研究イニシアチブを実行することを決定した。これまでのところどれくらいの量のプラスチックがどういう経路で海洋に投棄されているかを示す比較可能なデータが存在していない。また海洋の生態系や人間の健康に対する影響について信頼できる情報もない。G7大臣はまた消費者の関心を高める為に広報活動を強化し、共同の教育プログラムを立ち上げることを決定した。各大臣は海洋の保護のためには、研究協力における飛躍的な進歩が必要であることで一致を見た。各大臣は対話を継続し、日本が議長を務める次回のG7会議までにコンセプトを策定することを約束した。
クリーン・エネルギーをテーマとする話し合いではG7パートナー諸国の研究努力と研究成果に関して透明性を高めることが緊急に必要であることが明確にされた。各大臣はエネルギー大臣によって決定された2050年までのエネルギーシステムのトランスフォーメーションイニシアチブに従い各自の役割を遂行していくことを確認した。
ヴァンカ大臣は「ドイツにおけるエネルギー転換は大きな努力を伴うものである。これを成し遂げるために、早急に新しい技術と共同研究努力を必要としている。同時にG7のレベルで市民たちを結び付けていかなければならない。市民の支援なくしてエネルギーシステムの転換は成功しない」と述べた。
G7諸国は高度な品質基準をベースとした研究インフラの相互開放に関するコンセンサスを得ることに初めて成功した。将来こうしたインフラへのアプローチは原則として卓越性の原則によって行われるべきものであり、それぞれの機関に参加していない国々の研究者にも持ち分に応じて開放されるべきものである。また得られたデータは国際的に利用可能とすべきである。G7諸国はインフラの建設や稼働における評価、優先順位設定、質に関する基準に関して一致した。
最後に各大臣は、G7科学技術大臣の会議という形で、各種テーマ分野における進展を確実なものとするため恒常化することで一致を見た。
[DW編集局]