[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2015/09/25
抄訳記事公開日:
2015/11/26

プーチン大統領とロスアトムCEOとの会談

Meeting with CEO of Rosatom State Atomic Energy Corporation Sergei Kiriyenko

本文:

ロシア大統領府の2015年9月25日付標記記事では、プーチン(Vladimir Putin)大統領とキリエンコ(Sergey Kirienko)ロシア国営原子力企業「ロスアトム」CEOとの会談内容を伝えている。キリエンコCEOが70周年を迎えたロシア原子力セクターの現況を大統領に報告しているところ、右概要は以下のとおり。

・原子力発電
ロシアの原子力発電所の今年の発電量は、記録的な年であった昨年より100億キロワット時多くなり、1,900億キロワット時に達する。新規のロストフ原子力プラントは予定より2ヶ月早く稼動開始して、すでに操業運転に入っている。これも発電能力に加わった。

国内における順調な原子力プラント建設の実績は、外国のパートナーからの関心を引いている。現在12カ国から30基の原子力プラントの受注を受けていて、これらの契約はすでに締結済みである。これ以外に、10件のプロジェクトについて交渉中である。注文の規模は総額で3,000億ドル強相当になる。

・次世代技術
現在特に重要なのは、次世代技術である。連邦特別プログラム「次世代原子力技術」の下で、「ポスト福島」型高速増殖炉の、試験済みかつ信頼性のある標準技術を使用することにしている。スヴェドロブスク州にあるベロヤルスク原子力プラントのBN-800炉の操業開始準備を完了するところである。技術的に完璧な燃料サイクルを必要とするため、これらプロジェクトを包括的に実行することが重要である。

MOX燃料の生産工場が操業を開始した。この種のプラントでは史上初めてである。米国のパートナー組織もまだプラントの建設を完成していない。彼らはすでに77億ドルを投資しているが、今ではこのプロジェクトの中止を考えている。というのも、あとどのくらいの追加費用が発生するの分からないためである。ロシアは2億ドル(96億ルーブル)を少々超えるコストで、2年半の期間でプラントを建設した。プラントは現在稼動しており、生産の段階に達している。

・安全性の確保
全期間を通じていかなる問題も起こさないという、安全確保の努力が極めて重要である。累積した廃棄物の処理に着手したことも重要である。70年前、原子力セクターのプロジェクトが始まった頃は、国を救うことが優先課題だった。しかし他方で、廃棄物量は増え、長期に亘り保管されてきた。まず我々は、このような廃棄物を安全な状態にするための作業を開始した。そうすれば「爆発」するようなことはあり得ない。次に、全ての廃棄物を処理・加工する作業に取り掛かるところである。ロスアトムに持ち込まれた原子力潜水艦の解体・処理作業はほぼ終了した。201艘の潜水艦のうち197艘が解体・処理され、安全な状態におかれている。

昨年、使用済み核燃料の極東からの除去を全面的に完了し、鉱山・化学コンビナート(GKhK)に貯蔵施設を建設した。そこで使用済み燃料は安全に管理された貯蔵庫に保管されている。

北極海航路沿い及び北極・南極地域に散在していたRTG(放射性同位元素熱電発電機)アイソトープ源はすべて回収された。今夏、最後のRTG4機も南極大陸から回収された。

[DW編集局]