[本文]

国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド技術研究センター(VTT)
元記事公開日:
2015/11/24
抄訳記事公開日:
2015/12/15

低排出・高効率化に向けた次世代燃料電池の開発

Next-generation fuel cells are ready for low-emission electricity production

本文:

フィンランド技術研究センター社(VTT)の2015年11月24日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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VTTフィンランド技術研究センター社(VTT Technical Research Centre of Finland Ltd)は、EUのHorizon2020のもと9月から開始されたINNO-SOFCプロジェクトにおいて、Convion LtdおよびElcogen Ltdと共同で、競合技術よりも効率に優れた次世代型長寿命燃料電池システムの開発に取り組んでいる。このプロジェクトが成功すれば、エネルギー効率に優れ、実用化が可能な新たな用途が誕生することになる。

VTTは、Elcogenを始めとする欧州の他のパートナーおよびConvionとともに、発電に関しては60%、総合的には85%の効率を備えた50kWの燃料電池システムを開発するとしている。Elcogenがシステムの中核となる燃料電池を提供し、VTTはプロジェクト・コーディネーターとして、プロジェクトに参加する企業の研究開発を支援し、システムと燃料電池の耐用年数の認証を行う。

この新しい燃料電池システムは通常の交流電流を生成するもので、様々な用途で使用することができる。燃料電池は、排水処理場やバイオガス・プラントのバイオマスから発生するメタンから電力と熱を生成することに利用できる。またバイオガスだけでなく、LNG(液化天然ガス)の流通においても、現在のガス・ネットワーク以外で燃料電池システムを使用することが可能になる。

プロジェクトは、2018年8月に終了する予定である。400万ユーロの予算のうち、フィンランドの中小企業であるElcogen LtdとConvion Ltdに計230万ユーロの研究開発費が、VTTには約60万ユーロがそれぞれ割り当てられることになっている。

[JSTパリ事務所]