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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国競争力評議会(COC)
- 元記事公開日:
- 2015/10/22
- 抄訳記事公開日:
- 2016/01/04
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超高速コンピューティングは米国製造業とイノベーションの強化への道筋を示す
- 本文:
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2015年10月22日付の米国競争力協議会(CoC)による高性能コンピューティング(HPC)に関する報告書についての発表記事の概要は次の通りである。
CoCは「モデリング、シミュレーション及び分析(MS&A)並びにHPC:米国イノベーションの多重増強要因(Modeling, Simulation and Analysis, and High Performance Computing:Force Multiplier for American Innovation)」と題した米国デジタルエンジニアリング製造コンソーシアム(NDEMC)からの報告書を発表した。この報告書は米国経済開発局(U.S. Economic Development Administration)の年次サミットで発表された。
HPCは米国における製品の設計デザインプロセスを加速し、プロトタイプの試作と試験の期間を最短にし、製造プロセスを効率化し、イノベーションのコストを低減し、従来不可能であった高価値のイノベーションの開発を可能とする特別な機会を提供という理解の下、この報告書はHPCが大企業のみならず米国経済を支えている幾千もの中小企業にも大変革をもたらす可能性を示唆する。
NDEMCは20のパイロットプログラムを育成し、160の新規雇用、年間売上高2,000万ドル、そして3つの新製品を生み出した。その他の主要な政策及び商慣行に関わる発見は次の通り。
・業界全体を支援するために新しいインフラ又は産業界における公共財(industrial commons)」の開発が必要となるプロジェクトでは官民パートナーシップは必須のモデルである。
・米国の中小企業は高価なMS&A/HPCツールを購入しないが、従量制支払いモデルによるMS&A/HPCへのアクセス権、コンサルティング並びにトレーニングに対する購入意欲が有る。
・MS&A/HPC独立ソフトのベンダーにソフトをサービスとしてのソフト(software-as-a service)の形で展開する様に奨励することで、米国の中小企業がMS&A/HPCツールへのアクセスが広がる可能性がある。
・中小企業のNDEMCへの参加の決定には「製品化までの期間の短縮」の機会が重要な要素となる。
・会社幹部、エンジニアリング、作業員がプロジェクトに賛同する必要がある。明確なプロジェクト目標や期待される成果の定義し、それらをトップダウンで伝達する事が重要である。
・中小企業は、事業活動にMS&A/HPCを導入した場合の潜在能力を完全に実現するためには強力な実践的な支援と教育研修が必要。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]