[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2015/11/02
抄訳記事公開日:
2016/01/13

データ科学専門の顧問団を形成

Establishing a brain trust for data science

本文:

2015年11月2日付けの国立科学財団(NSF)の標記報道発表の概要は以下のとおりである。

データにアクセスし、解析し、大量データから知見を引き出す能力は、すでに医療から製造業に至る領域でイノベーションを引き起こしており、それが効率の向上や生活の質的向上につながっている。

この新興分野のさらなる促進を図るべく、データ科学イノベーション地域ハブの設置を目的として、NSFはこのほど総額500万ドル強の4件の助成を発表した。この地域イノベーションハブに対する助成により、複数セクターの提携を促進するコンソーシアムが形成される。

これらコンソーシアムを統括するのは、コロンビア大学(北東部ハブ)、ジョージア工科大学及びノースカロライナ大学(南部ハブ)、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(中西部ハブ)、カリフォルニア大学サンディエゴ校、同バークレー校、ワシントン大学(西部ハブ)の最先端のデータ科学者らである。全50州を網羅するこれらコンソーシアムには250以上の機関(大学や都市から財団やフォーチュン500の企業まで)が関与し、今後のさらなる拡大が可能である。

今回の助成は、2012年に発表された「国家ビッグデータ研究開発イニシアティブ」に基づき、「ビッグデータ地域イノベーション・ハブ(BD HUBs)」プログラムを通して実施され、産・官・学の複数セクター間の協力による新たな枠組を形成している。

上記ハブによって構成される「ビッグデータ顧問団」は、地域のビッグデータの提携や地域課題に取り組む活動を発案し、計画し、支援する。本プログラムの利点は、調整コストの削減による提携関係の推進や、アイデア、資源、および成功事例の共有による機会創出、重要課題に取り組む最先端の人材育成がかなり容易になることである。BD HUBsが優先課題として特定した課題には次の事項がある。

・医療及び医療の地方格差などにおける、ビッグデータやデータ利用による発見のための新技術
・天然資源の管理及び居住環境計画・ハザードに対する影響
・精密農業(precision agriculture)及び食糧、エネルギー、水連環
・教育及びスマートにつながる地域社会
・精密医療(precision medicine)
・エネルギー、材料、製造技術
・資金管理

なおNSFでは(ファンドの確保が条件になるが)BD HUBsの次なる段階”Big Data Spokes”(BD Spokes)に対して1000万ドルの助成を予定している。BD Spokesプログラムの要請は、BD HUBsで特定された特定優先領域における研究開始の支援を目的とする。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]