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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- エネルギー省(DOE)
- 元記事公開日:
- 2015/11/13
- 抄訳記事公開日:
- 2016/01/14
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クリーンエネルギー技術が米国市場で加速
- 本文:
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2015年11月13日付の米エネルギー省(DOE)の標記発表の概要は以下のとおりである。
DOEは2015年11月13日、米国におけるクリーン・エネルギー技術の現状を詳述した2015年版報告書”Revolution Now”を公表した。
2015年版では、劇的なコスト削減によりクリーン・エネルギー技術の採用が継続して促進されていることを示している。本報告書では、大型で実用規模の太陽光発電(PV)プラント、及び全米でかなり普及している小型屋上設置型のPVシステムの両方について、太陽光発電モジュールの急速な成長を取り上げている。これらクリーン・エネルギー技術の費用対効果の向上と米国全土での広範な利用を図るべく、DOEは市場障壁を低くすることと合わせて、これら技術の研究開発に継続して投資する。
2008~2014年の間、地上風力は米国で新たに設置された発電能力の31%を占めた。DOEによる技術イノベーション促進に対する早期投資が理由の一つで、このような成長を可能にした。2014年には、6万5,000メガワット強の実用規模の風力発電所が39州に渡って配置され、これは1600万以上の世帯への電力を賄うに十分である。また2015年にはさらに1万3,600メガワット規模の風力発電所が建設中である。
2014年までに8ギガワットの分散型太陽光発電が設置されているが、これは米国のおよそ100万世帯に十分な電力を供給できる。実用規模の太陽光発電は2014年に68%伸びて、9.7ギガワットになった。実用規模PV市場の伸びは、一つには、DOEからの相当な支援によるもので、最初に100メガワットの5件のプロジェクトを支援した。2015年半ば時点で、民間のみが資金支援する100メガワットを超える実用規模プロジェクトが17件以上ある。
2014年中に総数7800万のLED電球が設置されたが、これは2012年に比べて6倍の増加である。2014年だけでも710万炭素トンの排出を防止し、米国民に14億ドルのエネルギーコスト節減をもたらした。このような節減額は2030年までに電力コストにして年260億ドルにまで伸び、米国の照明用電力使用量をほぼ半減させると予測されている。
輸送セクターは米国の全体の炭素排出量の27%を占める。平均的な電気自動車(EV)はガソリン車に比べて温室効果ガス排出量を48%削減する。2014年中に米国で約30万台のEV車が販売されたことで、約15万台のガソリン車が道路から消えたに等しい効果がある。
2015年版報告書では上記4つの技術に加えて、来るべき数年間のより広範な展開やコスト削減の最前線にある3つの技術を紹介している。スマート・ビルディング・システム、燃料効率の良い貨物トラック、車両の軽量化などである。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]