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国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/12/10
抄訳記事公開日:
2016/01/15

核融合施設W7-Xが稼働

Jetzt wird’s heiß: Fusionsanlage Wendelstein 7-X nimmt Betrieb auf

本文:

核融合装置ヴェンデルシュタイン7-Xが稼働し、連邦教育研究省(BMBF)はこれに関して概略下記のような報道発表を行った。

12月9日メクレンブルク・フォーポンメルン州保健社会庁はグライフスヴァルトにあるヴェンデルシュタイン7-X(W7-X)の稼働認可を出した。W7-Xはマックス・プランク・プラズマ研究所に建設中であり、「ステラレータ」タイプの核融合装置の発電性能実験する為の国の大型研究装置である。稼働認可に伴いヘリウムによる初のプラズマ点火が可能となる。

ヴァンカ大臣は「W7-Xは、ドイツにおける先端研究を代表するものである。これによって、将来的に大量の電力を安定して供給できるベースロード発電所に繋がる核融合の新しい道へと踏み出すことになる」と語った。

既に3月にはプラズマ容器の封鎖により重要な建設フェーズが終了している。4月からは装置の心臓部である、高さ約3.5mの、50の超伝導コイルからなるリングが一歩一歩確認されてきた。7月になり、プロジェクト長であるクリンガー教授は生成された磁気フィールドが計算された通りであることを発表している。

今回の成果は1951年に宇宙物理学者シュピッツァーがプリンストン大学で初のステラレータを開発して以来の核融合領域における最大のブレークスルーの一つである。磁場の生成において、ヴェンデルシュタイン型と国際熱核融合実験炉(ITER)のトカマク型との間で著しく異なっているからである。

投資コストは3億7,000万ユーロで、グライフスヴァルトに設立された拠点の総建設費は11億ユーロである。これは連邦、EU、メクレンブルク・フォーポンメルン州が共同で負担する。

[DW編集局]