[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2015/11/03
抄訳記事公開日:
2016/01/21

第2回原子力安全技術サミットフォーラムが開催

第二届核能安全技术高峰论坛在合肥召开

本文:

2015年11月3日付の「中国科学報」ネット版は、第2回原子力安全技術サミットフォーラムが安徽省合肥で開催されたと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

2013年の第1回開催から2年ぶりに、2015年11月2日に「原子力安全、国民理解、持続可能な発展」をテーマとする第2回原子力安全技術サミットフォーラムが安徽省合肥市で開催された。同フォーラムは中国科学院原子力安全技術研究所によって主催され、世界中の100余りの研究機関より300人余りの専門家が出席し、参加者の中には中国科学院、中国工程院、第三世界科学アカデミーの関連分野の院士(アカデミー会員)20人余りがいた。

安徽省の楊振超副省長、合肥市の王翔副市長、中国科学院合肥物質科学研究院の匡光力院長がフォーラムに出席し、式辞を述べた。中国科学技術部核融合センターの常務副主任である羅徳隆氏は、原子力が既に石炭、石油、天然ガス、水力発電と共に主力エネルギーとなり、熱中性子炉、高速炉、核融合という原子力発展の「3ステップ」戦略を明らかにした。また、環境保護部の華東地域担当によると福島原子力発電所の事故以降、国民理解を得られるのが困難になってきていることや、日本原子力学会副会長・東京大学教授の上坂氏によると福島事故後の日本の原子力の発展状況や事故の影響を受けた避難民の早期帰還などが今後の大きな課題であるなど発表された。

2020年までに、中国の原子力発電は、運営中の設備容量が5,800万kW、建設中の設備容量が3,000万kWに達する見込みである。原子力発電の発展と共に、原子力安全が直面するチャレンジもますます増える。同フォーラムに出席した専門家によると、原子炉や技術の多様化によって、複数の基準が共存するため、中国の原子力安全管理における課題とのことである。テーマ発表において、専門家たちは現在のエネルギー情勢、原子力安全の現状及び発展ニーズ、ポスト福島時代の原子力安全問題、原子力安全に対する一般市民の認識などをめぐって討論した。

同フォーラムは中国原子力産業協会、中国原子力学会、中国放射線防護学会、中国科学技術協会の支援を受けた。

[JST北京事務所]